Twitter創業者たちの次なる挑戦
Twitter創業者たちの次なる挑戦
2014年03月03日
TEXT:小川 浩(シリアルアントレプレナー)
TwitterはIPOをはたしたものの、ユーザー数やトラフィックがやや伸び悩んでいるようだ。Twitterは、SnapChatやInstagramなどの画像を軸とした“つぶやき”に対抗しようとするあまり、140文字のテキストをポストするというシンプルなソリューションから、マルチメディアのポストを推奨する方向に動いている。それが逆にライバルの存在感を強めることになり、Twitter自身のアイデンティティを弱めている気がする。
それはさておき、Twitterの3人の創業者たちが新しい試みに挑戦している。今回はそれを改めてまとめてみようと思う。彼らは生粋の起業家であり、日本の成功者に見られるような起業家から投資家への転身には興味がないようだ。
TEXT:小川 浩(シリアルアントレプレナー)
TwitterはIPOをはたしたものの、ユーザー数やトラフィックがやや伸び悩んでいるようだ。Twitterは、SnapChatやInstagramなどの画像を軸とした“つぶやき”に対抗しようとするあまり、140文字のテキストをポストするというシンプルなソリューションから、マルチメディアのポストを推奨する方向に動いている。それが逆にライバルの存在感を強めることになり、Twitter自身のアイデンティティを弱めている気がする。
それはさておき、Twitterの3人の創業者たちが新しい試みに挑戦している。今回はそれを改めてまとめてみようと思う。彼らは生粋の起業家であり、日本の成功者に見られるような起業家から投資家への転身には興味がないようだ。
Square / ジャック・ドーシー
ひとり目は、3人のなかでもっとも大きな成功を収めつつあるジャック・ドーシーだ。世界の決済市場に劇的な変化を起こしているオンライン決済サービスSquareの創業および急成長を実現している。Squareはスマートフォンやタブレットなどのモバイルガジェットを使って、あらゆる規模の企業・店舗がクレジットカード決済を利用可能にするソリューションを提供した。PayPalをはじめ、日本でも楽天スマートペイやコイニーなどの多くの摸倣者を生んでいることが、Squareの凄みである。
Jelly / ビズ・ストーン
ふたり目のビズ・ストーンは、Q&Aアプリ「Jelly」を手がけている。社名でありサービス名でもあるJellyは、クラゲ(Jellyfish)からとったという。クラゲは集合体としてのみ知的な行動ができる。つまり、集合知を実現するためのプラットフォームとしてJellyを位置づけているわけだ。サービス内容は、画像に短いテキストをつけて質問すると誰かが回答してくれる、というもの。ステータスをシェアするTwitterに対して、疑問と回答をシェアすることで人々とつながるソーシャルサービスだ。Squareに比べれば、Twitter寄りのサービスといえよう。
Medium / エヴァン・ウィリアムズ
3人目のエヴァン・ウィリアムズが創業したMediumは、3人のスタートアップの中ではもっともTwitterに近く、そして遠い。
Mediumは、ブログとTwitterの間に位置するテキスト公開サービスだ。ブログよりは短めでシンプルだが、Twitterよりは長めで表現力も豊かという中間的な存在であるからMedium、というわけだ。
Twitterがステータスをシェアするサービスであるとすれば、Mediumはアイデアやストーリーをシェアする。TwitterのUI複雑化へのアンチテーゼとしてか、Mediumの外観は画像一枚とテキストだけのシンプルなデザインで、実に潔い。その意味で、Twitterと同じ領域のサービスなのだが、もっともTwitterを否定するサービスといえるだろう。
どうやってマネタイズしていくかはわからないし、現時点では既存のブログやTumblrとの明確な差別化を周知できずにいるが、共同創業者たちのなかでいちばんTwitterへの愛をもっていたのはエヴァンではないかと感じさせてくれるのがMediumだ。
共同創業者たちのなかではSquareが圧倒的な知名度と成功を収めているが、それぞれのTwitterに対する距離感が異なっているところが興味深い。いずれにしても、相当の資産を築いたあとでもなお新サービスづくりに邁進するところは、日本の起業家および元起業家も手本とするべきだろう。
ひとり目は、3人のなかでもっとも大きな成功を収めつつあるジャック・ドーシーだ。世界の決済市場に劇的な変化を起こしているオンライン決済サービスSquareの創業および急成長を実現している。Squareはスマートフォンやタブレットなどのモバイルガジェットを使って、あらゆる規模の企業・店舗がクレジットカード決済を利用可能にするソリューションを提供した。PayPalをはじめ、日本でも楽天スマートペイやコイニーなどの多くの摸倣者を生んでいることが、Squareの凄みである。
Jelly / ビズ・ストーン
ふたり目のビズ・ストーンは、Q&Aアプリ「Jelly」を手がけている。社名でありサービス名でもあるJellyは、クラゲ(Jellyfish)からとったという。クラゲは集合体としてのみ知的な行動ができる。つまり、集合知を実現するためのプラットフォームとしてJellyを位置づけているわけだ。サービス内容は、画像に短いテキストをつけて質問すると誰かが回答してくれる、というもの。ステータスをシェアするTwitterに対して、疑問と回答をシェアすることで人々とつながるソーシャルサービスだ。Squareに比べれば、Twitter寄りのサービスといえよう。
Medium / エヴァン・ウィリアムズ
3人目のエヴァン・ウィリアムズが創業したMediumは、3人のスタートアップの中ではもっともTwitterに近く、そして遠い。
Mediumは、ブログとTwitterの間に位置するテキスト公開サービスだ。ブログよりは短めでシンプルだが、Twitterよりは長めで表現力も豊かという中間的な存在であるからMedium、というわけだ。
Twitterがステータスをシェアするサービスであるとすれば、Mediumはアイデアやストーリーをシェアする。TwitterのUI複雑化へのアンチテーゼとしてか、Mediumの外観は画像一枚とテキストだけのシンプルなデザインで、実に潔い。その意味で、Twitterと同じ領域のサービスなのだが、もっともTwitterを否定するサービスといえるだろう。
どうやってマネタイズしていくかはわからないし、現時点では既存のブログやTumblrとの明確な差別化を周知できずにいるが、共同創業者たちのなかでいちばんTwitterへの愛をもっていたのはエヴァンではないかと感じさせてくれるのがMediumだ。
共同創業者たちのなかではSquareが圧倒的な知名度と成功を収めているが、それぞれのTwitterに対する距離感が異なっているところが興味深い。いずれにしても、相当の資産を築いたあとでもなお新サービスづくりに邁進するところは、日本の起業家および元起業家も手本とするべきだろう。
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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろ●シリアルアントレプレナー。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。
twitter:http://www.twitter.com/ogawakazuhiro
facebook:http://www.facebook.com/ogawakazuhiro