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「体験」にハマれるUIデザイン! 知っておきたい「Quotle」の工夫

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「体験」にハマれるUIデザイン! 知っておきたい「Quotle」の工夫


「体験」にハマれるUIデザイン! 知っておきたい「Quotle」の工夫

Amebaクリエイティブディレクターが語る
スマホアプリのデザイントレンド


2015年12月2日
TEXT:井上 辰徳(株式会社サイバーエージェント)


日々進化するデバイスやユーザーに合わせ、スマホアプリのデザイントレンドの移り変わりは非常に早い。本コラムでは、アップデートによって進化を遂げたサービスUIや新機能、新サービスなどにフォーカスし、より良いユーザー体験を提供するうえでの工夫についてサービスごとに考察する。この秋App Storeでリリースされた「Quotle」について取り上げる。

このアプリは感銘を受けた言葉や文章をメモ帳に書き留めるように引用し、コレクションできるアプリである。SNSを通して共有し、他のユーザーからの共感を得る事もできる。写真ではなく、タイプフェイスで個人の感性を共有する事が可能だ。現在はiOS版のみでのリリースではあるが、今後の展開が気になるアプリのひとつである。今回はシンプルかつスタイリッシュなUIと新感覚のユーザー体験についてひも解いてみる。

Designer:Olivier Desmoulin
Designer:Olivier Desmoulin

「Quotle」
●iOS版アプリはこちら




OCR機能で簡単テキスト読み込み

まずは、気軽な引用文の投稿を実現する為の機能として、OCR(Optical character recognition)機能が特徴的である。例えば読書中に気になった文章にカメラを向けて撮影しテキスト化するというもの、共有方法もInstagramの様に取り込んだテキストに簡単な加工を施し、説明を加えQuotle内はだけでなく、FacebookやTwitter、Evernoteにも同時投稿が可能。個人のメモとしてはもちろん、まるで作品のひとつを他人への共有する様に投稿する事ができる。



スタイリッシュな世界観に流れるポストカード風の引用文

自分が気になった文章を残すとき、その文章に適したフォント、背景画像等のデザインを自分で選び残せる。それがQotleの魅力のひとつだ。「この文章を残しておきたい」そう思ったとき、その裏側には何かしらの要因があるはず。その感情をデザインを通して残しておける。言ってしまえば、引用した文章と自分のセンスで1つの作品を作ることができるのだ。



色数は全5種類。フォントの種類は全8種類。
Folio, Georgia, SPECIAL ELITE., Helvetica Neue, POSTER, BOLD, WALL BRUSH, Sheebam plop week

一見、加工の効果としては少なく「オリジナリティに欠けるのでは?」と思えるが、アプリのトンマナの中で世界観に入り込ませユーザーを満足させるには一定のルールが重要と言える。逆に自由度を追求し、一つの投稿に対し趣味や過剰なアイデンティティーをもたせた場合、タイムラインを共有する趣向が合わない他のユーザーにとってはノイズととらわれてしまうケースもある。世界観を提示し、自分もアプリ内のアーティストになった様な錯覚させることが心地よい使用感を生む一つの要因だと言えるだろう。

読み物としての閲覧も楽しめる

自分の興味のある情報を感度高く見たい、それがキュレーションメディアが流行っている要因の一つだと思うが、Qotleでもそれが可能である。ただ単純に人が気になる言葉が乱立されているだけではなく、その言葉に関連しているカテゴリーごとのタイムラインも用意されている。

例えば、初デート前にこれから逢う彼女と話すネタを考えるということはよくある。それを用意しておきたい時、相手が興味のありそうなカテゴリーで関連する文章が検索ができる。ロマンチストな彼女にはpoetryで世界の詩人の名言を、これはほんの一例だが、Qotleは様々な活用により知識の幅を広げてくれるメディアアプリとしても可能性を秘めている。

■まとめ

「Quotle」にみる、新たな習慣をデザイン

誰もが気に留めない生活の中なの小さな作業を、「Quotle」は小さなモチベーションに変えたツールのひとつと言える。

これまでも、“写真”、“つぶやき” など習慣化されたささいな行動をリデザインし成功を成し得たアプリはいくつかあるが、小さな習慣を新たなアウトプットの形に変えながら、「如何に作業感を取り払うか」に注視する。この絶妙なバランス感の思考が、ユーザーをファンにできるアプリ開発の条件と言えるだろう。

まだまだ小規模のSNSだが、「Quotle」の今後の展開に期待がもてる。



井上辰徳氏[筆者プロフィール]
井上 辰徳(いのうえ たつのり) /クリエイティブディレクター
「Ameba」メディアサービスの立ち上げを複数担当。
現在はコマースサービス「Ameba古着屋」のクリエイティブ責任者を務める。


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