「活躍ぶり凄まじいXoogler」(後編)
「活躍ぶり凄まじいXoogler」(後編)
2008年4月25日
TEXT:小川 浩
(株式会社モディファイ CEO 兼クリエイティブディレクター)
Xoogler──ex-googler、すなわち“Googleを離れた元従業員たち”の動向が注目される最大の理由は、彼らが興したスタートアップの多くがテクノロジーオリエンテッドであることと、集める資金が桁違いであることだと前回書いた。
Facebookなどの新興ベンチャーに転籍したXooglerも多いなか、自ら起業することを選んだメンバーのなかで主立ったサービスをリストアップすると以下のようになる。
「FriendFeed」
複数の異なるSNSの情報を集約して、友人などの動向をキャッチするためのフィードアグリゲーション。いま最もクールなベンチャーのひとつとされている。
「RentBits」
ルーム賃貸情報の検索サービスで、3月にスタートしたばかり。
「Polyvore」
女性向けのファッションサイト。洋服や靴などの画像を自由に組み合わせて、好みのスタイルを試しに作ることができる。
「Cuill」
Googleに比べてインデックス化のコストを10分の1にしたという次世代検索エンジン。2008年4月の時点で3000万ドル以上の資金を集めることに成功している。
ほかにも多数あるが、ここでは割愛しておく。
上記の4社のうち、もっとも注目されているのはFriendFeedだが、Polyvoreのリッチかつクールなインターフェイスもまた注目に値する。Webデザイナーには非常に参考になるはずだ。また、Cuill(クールと発音)は、Google以上に情報の関連性を正しく扱える高度な検索技術があると主張しており、それを裏付けるようにスタートアップとしては日本ではあり得ない巨額の資金をかき集めている。実際には自身のサービスによるマネタイズよりも、Googleあるいはマイクロソフトなどからの買収によるバイアウトを狙っているかもしれず、それが実現される可能性は高いと思えるし、2008年下期のM&Aの台風の目になるかもしれないだろう。
以上のように、Xooglerたちの活躍は目覚ましい。日本ではサイバーエージェントやライブドアなどからスピンオフしたケースは多いが、そもそもテクノロジーオリエンテッドのベンチャーの成功例が少ないため、必然的にスピンオフ組のサービスもコンテンツ重視になりがちだ。
(次回に続く)
[筆者プロフィール]
おがわ・ひろし●株式会社モディファイ CEO兼クリエイティブディレクター。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)などがある。