「新たなインターネット広告手法の是非を問う─1」 by. 小川 浩
「新たなインターネット広告手法の是非を問う─1」
2009年11月9日
TEXT:小川 浩
(株式会社モディファイ CEO 兼クリエイティブディレクター)
Amazon.comがTwitterへの商品リンク掲載機能をサポート
Amazon.comは2009年11月、彼らのアフィリエイトサービスであるAmazon アソシエイト・プログラムの会員が、自分のTwitterアカウントを使っておススメのAmazon上の商品を他のユーザーに推薦するための仕組みを発表している。
方法としては、Amazon Associate会員がツールバー上のリンクをクリックするだけで、Twitterにリンクをポストできるというものだ。
つまり、Amazon アソシエイト・プログラム会員はTwitterを自分のアフィリエイト用のネットワークとして活用できるということになる。
Amazon アソシエイト・プログラム会員に提供開始された「Twitterで共有」機能(赤い囲みの中)
目的の商品をTwitter上でつぶやくことができる。URLは自動でbit.ly省略される
Twitter広告はトラフィックの流れ=ストリームへの広告
実は筆者が経営するモディファイが企業に提供しているソーシャルメディア向けコンテンツ配信システム「SM3」を使うと、上述の商品リンク掲載機能に近い送客機能を使うことができる。
それは「AdCap」と呼ぶ機能なのだが、たとえば企業が自社製品ではない、ユーザーにとって役立つと思われる情報サイトのリンクをSM3経由でTwitterに記載したとすると、このリンクをクリックしたときに、目的の情報サイトの上部にそのリンクを記載した企業の小さな広告を貼ることができる。
この場合、Twitter上のリンクをクリックしたユーザーは目的のサイトに1回でたどり着くことができ、ユーザーの利益を損ねることはなく、表示されたサイトの持ち主は思わぬトラフィックを得たことになる。その対価としての広告を控えめに貼らせていただく、つまり送客のトラフィック上に置かれる広告だ。
現時点ではTwitter自体が広告を出していないことから、こうした事例の是非に対する議論がわき上がっている。
こうした新しい広告手法が成立していくかどうか、あるいはその過程などについて、何回かに分けて解説していきたいと思う。
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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろし●株式会社モディファイ CEO兼クリエイティブディレクター。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)などがある。