イラストや制作物のデザインに金や銀、あるいはカラーの箔でキラキラとした装飾をしたいけれど、印刷での箔押しは費用がそれなりにかかってしまうため、予算の都合で諦めたという経験がある方も多いのではないでしょうか。また、手描きの絵に箔を貼る場合にも、箔は破れたりシワがよったりと扱いが難しく、なかなか初心者には手を出しづらいものです。
そんな時にオススメなのが、テープ状の箔をのりで貼ることで、簡単にさまざまな色の箔を貼ることができる「ウチハク」です。そこで今回は、箔押しと変わらない出来栄えなのに、手軽に箔押しができる「ウチハク」を試してみました。
老舗の箔メーカーが手掛けた家庭用の箔押し「ウチハク」
「ウチハク」は、家で手軽に箔押しができる専用の箔です。慶応元年の創業時に純金箔や蒔絵材料の製造販売から始まり、箔押し加工用の転写箔やホログラムなど光る素材を提供し続けてきた村田金箔が販売しています。金属箔を熱や圧で転写する箔押しはメジャーな印刷技法の一つですが、通常の印刷よりはコストがかかるため、やりたいと思っても予算上の都合で諦める場合もあるでしょう。
また、家で箔押しができるハンドメイド用のキットなどは従来からありますが、箔をシワや破れなくキレイに貼るのが難しく慣れが必要だったり、金や銀はよくあるもののカラーバリエーションがそれほど多くなかったりもしました。
しかし「ウチハク」は、箔がテープ状になっていて扱いやすく、貼りたい部分にのりを塗るだけで簡単に箔を貼ることができます。また、カラーバリエーションが多く40色近くあり、3cm幅×10mのサイズで1本770円と価格も手頃です。
「ウチハク」のカラーの種類は大きく4つのシリーズに分かれていて、ゴールドやシルバーといった定番カラーでキラキラ光る「Standard Metallic Foils」、同様にキラキラ光りカラーバリエーションが豊富な「Special Metallic Color Foils」、見る角度によって模様が変わるホログラム加工を施した「Holographic Foils」、光沢が抑えられ発色のはっきりした「Pigment Foils」があります。
「ウチハク」を貼るための専用のりも販売されていて、ペン型で極細・まる・ひらの3種類のペン先のタイプがある「ウチハクglue pen」、筆などで塗れるボトルタイプの「ウチハクglue liquid」があります。
イラストをキラキラの面や線で装飾する
「ウチハク」の基本的な使い方は、箔押しをしたい部分にのりを塗り、乾いたら箔をのせて指の腹で押さえるだけです。のりは最初薄い水色ですが、乾くと透明になります。乾かないと箔がきちんと着かないので、急ぐときはドライヤーで乾かすと良いでしょう。
イラストのアクセントとして箔を貼る場合には、ペン先のタイプが3種類あるペン型のり「ウチハクglue pen」が便利です。広い面はもちろん、細い線や文字に箔を貼ることができます。最初に「ウチハクglue pen」を使うときはペン先を数回押し付けると、薄い水色ののりがペン先に滲み出てきます。あえてかすれたテクスチャを出すのも趣があって良いですが、なるべくムラなく貼りたい場合は、水分でよれないよう紙の強度に注意しつつのりを多めに塗った方が良さそうです。
- 平田順子
- ライター・編集者
- 大学生時代より雑誌連載をスタートし、音楽誌やカルチャー誌などで執筆。2000年に書籍『ナゴムの話』(太田出版刊)を上梓。音楽誌『FLOOR net』編集部勤務ののちWeb制作を学び、2005年よりWebデザイン・マーケティング誌『Web Designing』の編集を手がける。近年はデジタルマーケテイング媒体での執筆が増え、クリエイターをはじめマーケターや経営者の方々の取材を手がけている。https://junkohirata.work/
2024.05.01 Wed