プロでも見落としがちなデザインの死角 | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
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 デザインの本質論から、上手な逃げの技まで 
プロでも見落としがちなデザインの死角

日々のデザインワークの中で、何となくやっていることや、改めて考えると意外に知らなかったことなどはいろいろあるだろう。今回の特集では、そういった多くの人が見落としがちなものを思いつくかぎり集め、まとめて紹介していく。本質的な話からちょっとした逃げの技まで、デザインの知識が総合的に身につく内容だ。

 プロでも見落としがちなデザインの死角 
ベーシックなパターンはつくれても
その一枚上手の技を押さえていますか?
 知っておくべきこと 
ベーシックなパターンを応用してパターンをつくり込む
パターンの質感を加工すれば、ベーシックなドットやストライプはどんなデザインにも活用できる。ここでは、加工したパターンを応用して、イメージに合わせてさらにつくり込むテクニックを紹介する。
制作/文:高野 徹[lolo66] ●URL:http://www.lolo66.com/ ●使用ソフト:Illustrator CS3、Photoshop CS3

パターンを組み合わせて
アレンジする

ベーシックなパターンは、加工次第で大きく活用の幅が広がる要素といえるだろう。ここでは、先ほどの加工テクニックを応用した、実践的なパターンの作成方法を紹介しよう。

アナログテイストのデザインで重宝するチェックのパターンは、ストライプのパターンをベースに作成できる。まず、Illustratorで作成したストライプに、ブラシパネルの[木炭(鉛筆)]を適用。手書き風に加工したら、ストライプを1本おきに180°回転させ、手書きのランダム感を演出する【1】
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【1】Illustratorで作成したストライプに、ブラシパネルの[木炭(鉛筆)]を適用して、手書き風に加工する。続いて、ストライプを1本おきに180°回転させた。全体がランダムな印象となり、手書きの風合いを強めることができた

次に、このストライプのパターンを複製して、格子状になるよう配置。すべてのオブジェクトを[描画モード:乗算]とすれば、チェックのパターンの完成だ【2】。ストライプの太さや質感をランダムに変えるなど、手軽にアレンジを加えることもできる。
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【2】出来上がったパターンを[描画モード:ソフトライト]とすれば、完成だ(左図)。テクスチャと合わせて使う場合は、パターンを配置したレイヤーの[描画モード]を、背景となじむように設定するとよい。今回は、[ハードライト]とした(右図)

テクスチャを生かした
パターンを作成

このほかにもパターンを加工するうえでテクスチャは幅広く利用できる。ここでは、フィルタ機能で素材感を加えたパターンを、さらにテクスチャと合成する、アナログ風のパターンのつくり方を紹介しよう。

まず、Photoshopで布のテクスチャを開いたら、このレイヤーの前面に新規レイヤーを作成し、ドットのパターンを配置【3】。続いて、“スケッチ”→“ウォーターペーパー...”フィルタで、ドットに繊維の質感を加えたら、イメージメニュー→“色調補正”→“階調の反転”を実行【4】。最後にこのレイヤーを[描画モード:ソフトライト]とすれば、布の質感をうまく生かしたドットのパターンの完成だ【5】
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【3】ここではドットのパターンと布の素材を組み合わせて加工していく

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【4】ドットのパターンを“スケッチ”→“ウォーターペーパー...”フィルタで、繊維のような質感に加工する。さらに[階調の反転]で、白と黒を反転させた

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【5】ドットのレイヤーを[描画モード:ソフトライト]とすれば、布の質感を生かしたテクスチャが完成だ。布はもちろん、紙や木など、幅広いテクスチャで活用できるテクニックだ

このように、ベーシックなパターンは、単純で扱いやすいものだからこそ、加工ひとつで見た目の印象を大きく変えることができる。さまざまな加工のテクニックを覚えておくと、デザインワークのさまざまな場面において重宝するだろう【6】
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【6】今回制作したふたつのパターンを使った作例。どちらのパターンもアナログ風に仕上げることで、作品全体を雰囲気よくまとめている


本記事は『MdN』2011年4月号(vol.204)からの転載です。
『MdN』2011年4月号(vol.204)表紙

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