「注目を浴びるリアルタイムウェブ」 by. 小川 浩



「注目を浴びるリアルタイムウェブ 」

2009年11月24日

TEXT:小川 浩
(株式会社モディファイ CEO 兼クリエイティブディレクター)


即時性のあるWeb

最近「リアルタイムウェブ」というキーワードがメディアに取り上げられるようになっている。

要するに今まさに現実社会で起きている情報が、Webにアップロードされるタイミングに時差がなくなり、いつでも今起きていることがWeb上で確認できるようになっている、ということだ。

このリアルタイムウェブの実現にもっとも大きな貢献をしたサービスのひとつがTwitterであることは言うまでもない。Twitterは、わずか140文字というシンプルさで、いま何をしているか、何が起きているかをWebに書き込む作業を非常に簡単にしてくれた。そして、iPhoneに代表されるWebを使うことを前提とした新世代のモバイルツールが、その作業を、場所や時間の制約からわれわれを自由にしてくれた。その意味で、TwitterとiPhoneはリアルタイムウェブの体現者といっていい。



リアルタイムウェブの体現者、TwitterとiPhone


Twitterはリアルタイムウェブへの情報提供者

筆者としては、Twitter社内で語られたという表現、「スーパーフレッシュウェブ(超新鮮なWeb)」という呼び方のほうが気に入っている。いつでも新しい情報があるWeb。そしてTwitterはそのスーパーフレッシュウェブへの情報の提供者というわけだ。

ただ、呼び方はどちらでもいい。とにかくリアルタイムに現実社会で起きた事象がWebにアップされ、検索できる世界は、この数年以内に一般化することは間違いがない。リアルタイムに情報がさまざまなサービス間を自由に行き交い、その過程で価値が高まっていくような“生態系”、それは筆者がたびたび主張している「ソーシャルストリーム」の登場である。

ソーシャルストリームは、検索サービスに代わるトラフィック送出エンジンになるかもしれない。そうなれば、非常に巨大なビジネスが生まれてくる可能性がある。だからこそ、多くのメディアがそこに注目しているのである。


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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろし●株式会社モディファイ CEO兼クリエイティブディレクター。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)などがある。



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