東京TDC賞の最新年鑑ほか3冊
周りを驚かせるようなカッコいいアイデアやデザインは、一朝一夕で生まれるものではありません。情報や技術を取り入れつつ、日々感性を磨きながら、実践(現場)で鍛えていく。インプットとアウトプットのサイクルが大切。多忙なデザイナーのインプットを助けるべく、MdN Interactive編集部がオススメ本を紹介していくコーナーです。
思考のプロセス、デザインの本質をエピソードと共に
『クジラは潮を吹いていた。』
2,400円+税
「ニッカ ウヰスキー」、「明治 おいしい牛乳」などのデザインで知られるグラフィックデザイナーの佐藤卓氏が、自らの携わった仕事を振り返った本書。デザインする過程での思考のプロセスが、個々の方向性を決定づけた印象深いエピソードと共に紹介されている。「文章が一番苦手」と述べている佐藤氏だが、たんたんとした筆致でデザインの本質に迫る内容が語られた中身の濃い1冊に。本書のタイトルは、佐藤氏がパッケージリニューアルを担当した「ロッテ クールミントガム」のデザインに因んだエピソードから。
タイポグラフィの可能性がギッシリ詰まった年鑑
『Tokyo TDC,Vol.17』
6,000円+税
文字による視覚表現の可能性を広く深く追及することを目的に、1990年に始まった国際デザインコンペティション、東京TDC賞。本書は、17回目を迎え た本年度の応募作の中から、選りすぐりの秀作を集めた最新年鑑。国内外から応募されたタイポグラフィとグラフィックデザイン437作品を掲載している。本 棚に飾ってたまに眺めるのではなく、本書のキャッチコピーにあるように「ボロボロになるまで愛用」し、自分のデザインを広げるのに役立ててほしい。
眞鍋立彦、中山泰、奥村靫正の偉業を一冊に
『WORK SHOP MU!!』
3,619円+税
WORK SHOP MU!!とは、日本のロックの黎明期に小坂忠、細野晴臣、大滝詠一、はっぴいえんど、YMOらのレコードジャケットデザインを手がけた三人、眞鍋立彦、中山泰、奥村靫正たちのこと。本書は、彼らが1968年から現在までに手がけた作品200点以上を収録。大胆なコラージュ、書き込んだイラストレーション、アメリカンな色づかい、それら時代を超えても色あせることのない作品が見どころ。日本のジャケットデザインを国際レベルにまで引き上げた先達たちの偉業を堪能してほしい。
ポップでリーズナブルな北欧雑貨の魅力を伝える
『IKEA ファンブック』
1600円+税
スウェーデンから世界に広がり、日本でも多くのファンをもつ雑貨ブランド「IKEA」のガイドカタログ。IKEAにひかれコレクター暦12年を誇る著者が、その魅力を解説する。IKEAが支持される最大の理由は、「デザイン性、機能性、価格」の3つをバランスよく満たしたからであり、デザインを含めたブランド戦略の成功事例として捉えても興味深い。家具、文具、生活雑貨など商品別のグッズカタログのほか、世界各国のIKEAを巡るショッピングガイドなども掲載。
(更新:2006年11月16日)