iOS 4がもたらす“革命”とは(前編)



iOS 4がもたらす“革命”とは(前編)
2010年6月28日
TEXT:小川 浩(株式会社モディファイ CEO 兼クリエイティブディレクター)

「iOS 4」とは、米Apple社のモバイルガジェット用の軽量OSのこと。iPhone 4の発売を前に、日本時間6月22日にiPhone/iPod touch用に無料で公開された(関連記事「無料ダウンロードを開始したiPhone/iPod touch用iOS 4の新機能リスト」、「アップル、iPhone/iPod touch向け「iOS 4」を6/21より無償アップデート」)iPhone用に開発されたこともあってタッチパネルによる操作に対応していることが特徴だ。だから従来までは「iPhone OS」と呼ばれていたが、iPhoneのみならず、iPod touch やiPad(2010年9月に対応予定)にも採用されていることから、iPhone OSではおかしかろう、と2010年6月のWWDC(Apple Worldwide Developer's Conference)で改称が発表された。

iOS4は、もともとMac OS Xをベースに開発されたものではあるが、よりCPUパワーが小さく、省電力を念頭につくられたコンパクトなOSだ。最大の特長は前述の通りタッチパネルを直接指で触れることによって操作することである。

従前のiPhone OSから名称が変わっただけではない。もっとも大きな変化はマルチタスクに対応したことだ。GoogleのAndroidやPalm(ヒューレッド・パッカードが買収、関連コラム「Palmを買収したHPの秘策は?」)のWebOSはいち早くマルチタスクに対応していたので、これで表面的なOSの性能格差はなくなったと言える。

iOS 4は、コンピューティングの世界を激変させてしまうインパクトを持っているOSだ。機能面ではない。操作面での革命である。iOS 4以前のOSによるコンピューティングはマウスとアイコンによるGUI全盛であった。しかし、iOS 4以降のコンピューティングの主役は「NUI」になる。NUIとは「ナチュラルユーザーインターフェイス」の意味だ。具体的には、ジェスチャーや音声、視線の移動といった、人間の体感による直接的なインターフェイスのことを指す。NUIは、われわれにとってのコンピューティングの在り方を一変させてしまうことになるのである。(後編に続く)





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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろし●株式会社モディファイ CEO兼クリエイティブディレクター。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。

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