iOS 4がもたらす“革命”とは(後編)



iOS 4がもたらす“革命”とは(後編)
2010年7月5日
TEXT:小川 浩(株式会社モディファイ CEO 兼クリエイティブディレクター)


>>>「iOS 4がもたらす“革命”とは(前編)」はこちら

iOSは、Mac OS Xをベースに再設計されたモバイル用のOSだ。省電力と貧弱なCPUでも動くのが特徴である。iOSのライバルとなるのは米Microsoft社のWindows Phone 7と米Google社のAndroidだが、彼らが自社以外のスマートフォンやネットブックなどのサードパーティのモバイルデバイスに提供されることを前提として設計されているのに対し、iOSはApple製品専用であることが、ビジネス上の最大の違いと言えるだろう。

この違いが何を生むかと言うと、iOSはiPhone 4、iPhone 3GS、iPod touchおよびiPadの4つを対象としていることから、デバイスごとに特殊なカスタマイズを行うことはほとんどない。しかしWindows Phone 7およびAndroidは、それだけを載せていてもデバイスメーカーごとの製品に差別化ができないことから、メーカーとしては各々カスタマイズを施すようになる。つまり、Appleは、iOSのバージョンアップのタイミングを自社の意思決定だけで決めることができるが、米Microsoft社も米Google社もサードパーティの製品開発の状況によって開発タイミングを左右されることになる。

iOSは上述の通り、MacBook、iMacなどのMac OS X搭載のコンピュータ以外のモバイルデバイスに搭載されている。逆にいえば、iOSとはタッチパネル対応しただけのMac OS Xの廉価版であるという見方をすることもできる。現在のiOS搭載デバイスは、MacやWindows(にインストールされたiTunes)に接続されることによってしか正常な稼動を保てない。つまり独立型のデバイスではない。

しかし、米Apple社が現在iTunesのクラウド化を進めているといわれており、iOS搭載デバイスは、やがてはMac OS Xの庇護を必要としない、完全自律、独立型のデバイスへと成長していく。そのとき、iOSは従来のマウスとキーボードによる操作を基準としたコンピュータのあり方を時代遅れにしてしまうだろう。




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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろし●株式会社モディファイ CEO兼クリエイティブディレクター。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。

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