ソーシャルメディアマーケティングの主軸=SMO(Social Media Optimization)とは(前編)



ソーシャルメディアマーケティングの主軸=SMO(Social Media Optimization)とは(前編)
2010年8月2日
TEXT:小川 浩(株式会社モディファイ CEO 兼クリエイティブディレクター)

SMOとは「ソーシャルメディア最適化」の略で、英語では「Social Media Optimization」という。これは「SEO」(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)に対比する用語で、言葉自体は2006年ごろには存在していた。「SEO」が検索エンジンから自社サイトへのトラフィックを最大化することであるように、ソーシャルメディアからのトラフィックを最大化するのが「SMO」だ。

ただし、2006年のSMOがおもにブログからのトラフィックの流入を考えたものであったことに対して、2010年のSMOはFacebookやTwitterからのトラフィック流入を考慮するものに変わっている。もう少し具体的に言うと、FacebookやTwitter上に投稿されたコンテンツに置かれたURL(短縮リンクが主流)を読者がクリックした数であり、これを最大化するための方策が現代のSMOの主軸である。


このクリック数を多くするには、

・とにかく短縮リンクをコンテンツに挿入する(そうでなければ始まらない)
・コンテンツ自体の読者を多くする(Twitterならフォロワー数を増やす)
・転載や引用をうながす(TwitterならRT、FacebookならLikeボタンを押させる)

などといった施策が必要だ。

2010年3月には、米国のWebトラフィックに占めるGoogleのシェアは約7%。これに対してFacebookもほぼ同様の7%に達した。現在の最新の数字はまだないが、成長率からして、FacebookがGoogleをすでに抜き去っていることはまちがいない。ソーシャルメディア全体の約50%をFacebookが占めていると思われるが、Googleもまた検索エンジンのシェアで言えば世界の60~70%を占めている。つまり、検索エンジン経由のトラフィックよりもソーシャルメディア経由のトラフィックがすでに多い、ということだ。

つまり、SMO対策をすることは、SEO対策と同じかそれ以上に、Web戦略上の重要事項になっているわけだ。しかし、SMOと検索してみればわかるが、いまだに2006~2007年まで、すなわち「Web 2.0」以前の情報しか置かれていないのが現状だ。

Webサイトを運営している人間ならば、すべからずSEOに対する何らかの施策を考えているとは思うが、まだSMOについては手つかず、あるいはSMOという考え方自体が浸透していない、ということだ。これについて、もう少し考察を進めたい。


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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろし●株式会社モディファイ CEO兼クリエイティブディレクター。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。

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