【PAGE2011】ローランド ディー.ジー. 多彩な特殊印刷が可能なインクジェットプリンタ
2011年2月2~4日までの3日間、東京・サンシャインコンベンションセンターTOKYOにて開催されている印刷・メディア業界のコンベンション「PAGE2011」。今回は特殊印刷と多品種小ロットに対応した、多くの素材にプリント可能な「VersaUV LEC-330」と、初のメタリックカラー対応のプリンタ「VersaCAMM VS-300」の2機種を発売したローランド ディー.ジー.(株)のブースをレポートする。
取材・文=高浜正憲
■ニス引きなど特殊印刷でも本紙校正ができる「VersaUV LEC-330」
同製品はUVインクを使い、特殊印刷と「プリント&カット」に対応したインクジェットプリンタだ。さまざまな素材に自由な形状を抜き型なしでプリントできるところから、シールラベルの業界で導入されており、デザインの現場でも軟包装フィルムのダミーをつくる際に利用されつつある。実際の印刷に使う素材と同じものにプリントできるので、そのメリットは大きい。気になるカラーマッチングもカラーマネジメントシステムを「ORIS」のCGS Japan(株)などと協力して作成し、リアリティの高いプリントが出力ができる。
透明インクを使ったニス引きの見本が作成できるのも、同製品ならではだ。今まではニス引きの仕上がりを印刷前に確認できなかったが、それが可能になった。ブースでは実際の印刷デモも行われていた。また、用材を何度もプリンタ内で出し入れして、透明インクを重ね塗りをした立体感のあるボタンも展示。箱ものもプリントと同時に展開図に合わせたミシン目加工や折り目加工ができ、小ロット印刷だけでなく印刷前の見本制作を視野に入れたプリンタとなっている。
(左)デモ出力するLEC-330。ニス引きやつや消し、疑似エンボスの効果が印刷前に本紙で確認できる
(右)LEC-330でデモ出力していた(株)ワークスコーポレーションの『DTP&印刷スーパーしくみ事典 2011』の表紙
現在のところ印刷会社、デザイン会社、メーカーのデザイン室などが導入しており、同社営業企画部・岡田憲典氏の話によれば、同製品を導入した寿がきや食品(株)では、実際の商品と変わらないデザインサンプルが社内ですばやく作成でき、販売店での新製品のプレゼンがより効果的にできるようになり、売上アップにつながったとのこと。
実際の商品と同じ用材にプリントされた寿がきや食品(株)のパッケージ。本紙校正ができるところが強みだ
■メタリックカラーの出力が秀逸な「VersaCAMM VS-300」
同製品は金・銀を含めたメタリックカラー512色が出力可能なプリンタだ。「CMYK+メタリックカラー+白インク」の8色パターン、6色パターン、4色パターン(この場合CMYKが各2本)のインクセットが選べる。大小7サイズのドットを打ち分けて細かな色を再現する「New Print Head」と、印刷のスジムラを制御する「Roland Intelligent Pass Control」により画質の向上が図られている。岡田氏によると納入先からは、白色隠蔽性がよく、メタリックカラーに対応しているのが好評という。
(左)ペットボトルのラベルをデモ出力するVS-300。写真の左側にインクカートリッジが並ぶ
(右)VS-300でプリントした、メリタリックカラーを使ったコーヒー用パッケージ
ただ「VersaUV LEC-330」と異なり、プリントする用材は限られること、発色の不安定な特色を扱うことから、本紙校正が難しい。同社では印刷本機に流すカラーマッチングのソリューションを用意し、またプリンタにも「ローランドカラーシステムライブラリ」を付属させている。使用するプリンタでこのライブラリを出力して、プリンタ独自のカラーチップを作成すれば、クライアントとの色に関するトラブルは少なくなる。この512色のカラーチップは同社のWebサイトで申し込めば入手可能だ。
岡田氏によれば、パッケージのダミー試作で同製品の導入が進んでいるが、今後メタリックカラーの要望が高まると予測され、「プリント&カット」機能と合わせて、シール、ディスプレイなど小ロットのオンデマンドによる需要が高まるものと見ている。
ランニングコストも含めて、ユーザーの負担を減らす方向で努力していきたいと語る岡田氏
ローランド ディー.ジー.(株)
URL:http://www.rolanddg.co.jp/
2011/02/03