mixiページはFacebookページの侵攻を阻止できるか

mixiページはFacebookページの侵攻を阻止できるか 2011年09月05日
TEXT:小川 浩(株式会社モディファイ CEO 兼クリエイティブディレクター)

2011年8月31日、長らく業界の噂として広がっていたmixiページがについにお披露目となった。

mixiページは、サービス開始から3日目となる9月2日時点で登録数が8万件を突破し、初速としては非常によい出だしを見せている。反面、本来は検索エンジンの検索結果に表示される仕様になっているべきところが、開設数の急増によるサーバ負荷を回避するため、実装を延期する不手際を見せている(注:9月5日に修正)。さらに、本来は芸能人などのファンページの作成には本人または事務所の認可が必要であるのに、無許可のmixiページが乱造されるなどの問題もはらんでる。

しかし、サービススタート時からモバイル対応をきちんと行っているところなどは、ミクシィの本気度が伝わるし、国内最大SNSとして押さえるべき勘所はさすがにわかっているというところだ。

そもそも、mixiページはFacebookページの対抗サービスとして開設されたものだ。Facebookページはソーシャルネットワークサービス上に広がるソーシャルグラフに企業が参加することを許可する、Facebookの画期的なサービスである。Facebookが実名制を貫いているからこそ、米ホワイトハウスやオバマ大統領といったもっとも公的な機関やセレブが利用する。

その点、mixiページは実名制とは言い切れないユーザーベッドと、そもそも若年層が多いというユーザー構成から、参入を控えざるを得ない企業や団体も多いと思われる。だからmixiページとしては、なるべく早くサービス内の違法性を除去し、本人確認のできるセレブや優良企業のページを開設したうえで、そこに十分なファン数が集まることを証明しなければならない。

Google+がGmailのアカウント数を生かして史上最速でユーザー数2500万人を集めてみたように、ミクシィもまた国内2500万人のユーザー数を抱えている強みを生かして、少なくとも開設数においてはmixiページの成功事例を世に示した。ただし、現状はmixiコミュニティの延長サービスとして既存ユーザーに認知されていると思われるので、一刻も早くFacebookページと対等な使い道ができるということを実証する必要がある。逆にいえば、それを短期間に実行することができれば、Yahoo!オークションがeBayの上陸を阻止したように、Facebookの国内侵攻を押さえ込む可能性は十分にある、といっておこう。



mixiページ


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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろし●株式会社モディファイ CEO兼クリエイティブディレクター。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。
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