ソーシャルメディア発展のキーとなるLBS

ソーシャルメディア発展のキーとなるLBS 2011年09月20日
TEXT:小川 浩(株式会社モディファイ CEO 兼クリエイティブディレクター)

LBSとはロケーションベースドサービス(Location Based Service)の略称であり、直訳すると位置情報系サービスという意味になる。すなわち、Foursquareやコロプラなどのような、ユーザーがGPSを搭載したモバイル端末から自発的に公開する位置情報を使って、ソーシャル的なサービスを行うものだ。

これらのサービスは、ユーザーみずからが今いる場所を「チェックイン」という形でWeb上にアップロードする。ソーシャルグラフに位置と時間という変数をユーザー自身の意思で付加してくれるのだから、ありとあらゆるソーシャルネットワークサービスが、この機能を自身のサービスに採用している。

現在FacebookとTwitterを中心に、さまざまな複数のソーシャルメディアがAPIの相互利用を進めており、異なるソーシャルメディア間をまたがるように、コンテンツが共有されている。そして、LBSによって位置情報と時間情報、さらには人間関係までも組み合わせることで、ソーシャルメディア上のコンテンツは非常に複雑だが、行動ターゲティングやマーケティング上、有用なデータになっているのだ。

スマートフォンやタブレット端末とソーシャルメディアがシームレスにつながっていくことで、LBSは今後のビッグビジネスへの有望な道しるべとなっていくだろう。オンラインからオフライン、つまりWebの告知から実店舗などへの集客を現実化することをO2Oとよぶが、LBSはO2Oにおける最大の切り札になっていく。たとえば商店街に入り込んだ消費者に、自動でクーポンを送ることは今まででも可能だったが、LBSとソーシャルメディアのデータ共有が密接化すれば、今後はソーシャルグラフからその消費者の嗜好を分析し、最適なクーポンを選び出すようなことが可能になる。さらにその消費者の友人・知人の嗜好を反映したレコメンデーションなども容易に行うことができるだろう。



(左)foursquareのiPhoneアプリ
(右)コロプラのiPhoneアプリ



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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろし●株式会社モディファイ CEO兼クリエイティブディレクター。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。
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