【page2012】ナナオ、「ColorNavigator 6」のアップデートでデバイスエミュレーションに対応

【page2012】ナナオ、「ColorNavigator 6」のアップデートでデバイスエミュレーションに対応

2012年2月8日~10日に開催されている「page2012」。株式会社ナナオのブースでは、クリエイター向けディスプレイ「FlexScanシリーズ」や、キャリブレーションセンサー内蔵ディスプレイ「ColorEdgeシリーズ」などを展開している。今回は企画部商品技術課の家永篤氏に、厳密な色再現性を実現する同社のカラーマネジメント技術について話を伺った。

取材・文=奥谷憲司(フレア)


クリエイターに必須の機能が満載のFlexScanシリーズ
FlexScanシリーズは、同社が展開するEIZOブランドのなかでクリエイター向けと位置づけられた液晶ディスプレイだ。本来液晶ディスプレイには、画面全体の明るさや色の均一性が求められる。しかし、ユーザーがそれを厳密に実現することは非常に難しい。そこで同社は製品出荷時に、画面中央や四隅などをいくつかのブロックにわけ、ブロックごとに明るさ・色ムラの微調整を行っているという。しかも、個々の製品ごとに行っているというから驚きだ。

ブースに展示されていたFlexScanシリーズの「SX2462W-HX」には、カラーマッチングツール「EIZO EasyPIX」が用意されていた。キャリブレーションセンサーで画面中央を測光することにより、簡単にキャリブレーションが行える。また、クリエイターにとって重要な「個々の印刷物に合わせたディスプレイの色表現」という点に主眼を置いているため、実際の印刷用紙の白色とディスプレイの白色を合わせることも可能だ。使い方としては、印刷用紙をキャリブレーションセンサーで直接測定したのち、ディスプレイの色基準を印刷用紙に合わせて設定。これにより、印刷物とディスプレイで色環境の統一が実現する。


企画部 商品技術課 家永篤氏



EIZO EasyPIXに付属するソフトウエア「EIZO EasyPIX Software」を起動し、キャリブレーションセンサーで画面を測定することによりキャリブレーションが行える


ColorEdgeに付属する「ColorNavigator 6」
「ColorNavigator 6」は、ColorEdgeシリーズに付属するキャリブレーションソフトウエアだ。キャリブレーションセンサーと併用することで、高度なハードウエアキャリブレーションが可能となる。「印刷用」「Web向けコンテンツ作成用」など、あらかじめ用意されている複数のプロファイルが選択できるほか、キャリブレーション後に微調整して新規プロファイルを作成することもできる。

作成したプロファイルを書き出して別のディスプレイに適用すれば、複数台のPCの色環境の統一も図れる。複数名のチームで行うWebコンテンツ制作やゲーム制作などの場面では非常に便利な機能といえよう。


ColorNavigator 6には、あらかじめ「印刷用」「写真用」「Web向けコンテンツ作成用」などのプロファイルが用意されている。微調整して新規プロファイルを作成することも可能だ



ColorNavigator 6は、手動調整機能も搭載している。キャリブレーション後に微調整したい場合は、この画面で白色点・輝度・色合いなどを変更する


デバイスの色を再現するデバイスエミュレーション
ColorNavigator 6は先日バージョン6.1.0にアップデートされ、新たに「デバイスエミュレーション」機能が追加された。コンテンツ開発者向けに用意された機能のひとつで、iPadなどのタブレット端末やスマートフォンをキャリブレーションセンサーで測光し、そのプロファイルをColorEdgeシリーズのディスプレイに適用できるというもの。タブレット端末やスマートフォンの発色を、液晶ディスプレイ上で再現しながら作業できるわけだ。また、デバイスごとに異なる表示特性に合わせて複数のプロファイルを作成することもできる。


デバイスエミュレーションのデモでは、iPadが使用された。iPadに複数の色を表示させ、その表示特性をセンサーが読み取り、専用のプロファイルを作成する手順だ



iPadのプロファイルを適用したディスプレイ。写真では環境光の反射により異なって見えるが、プロファイルが適用されたディスプレイの再現性は高い


株式会社ナナオ
URL:http://www.eizo.co.jp/
2012/02/09

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