日本のベストプラクティスから学ぶ Twitterのこれから

【Twitterメディア向けイベントレポート】
日本のベストプラクティスから学ぶTwitterのこれから




4月16日(月)、TwitterのCEOディック・コステロ氏が来日し、東京・赤坂のアークヒルズにある「Ark Hills Café」において報道陣向けのメディアイベントが開催された。同イベントでは、最初にディック・コステロ氏によるTwitterの現状と今後の展開についてプレゼンテーションが行われ、その後報道陣からの質疑応答が行われた。プレゼンテーションの中で、世界でも突出した日本国内でのTwitter利用についての言及と、昨年度発生した東日本大震災におけるTwitterが果たした社会的役割等、日本のベストプラクティスから教訓を学び、今後のTwitterのあり方に生かしていく旨の指針が語られた。

取材・文:久保靖資


世界においてTwitterがどのように利用されてきたのか

午前11時に開始されたイベントでは、スーツ姿で登場したTwitterのCEOディック・コストロ氏が、早速プレゼンテーションを開始。まずは、世界および日本国内におけるTwitterの利用状況を紹介。ワールドワイドでの利用状況としては、2010年までは5,000万人くらいで推移していたアクティブユーザ数が2011年以降急速に伸び、現状で1億4,000万人に拡大。また、コンテンツであるツイート数も3日で10億件以上(3億4,000万件/1日)を達成するなど、Twitterサービスが急速な成長を見せていることを強調した。

 また、日本国内でのTwitter利用は世界でもトップレベルにあり、1秒間のツイート数の記録を次々と塗り替えてきたこと、特にベスト1である「天空の城ラピュタ/バルス」のツイート数は2位以下を大きく引き離す桁違いの数であることを指摘。Twitterへの関心の高さは世界でも突出しており、そのエンゲージメントを把握することで、今後のTwitterのソリューション展開にもさまざまにいきたいと語った。


2010年までは5,000万人くらいで推移していたアクティブユーザ数が2011年以降急速に伸び、現状で1億4,000万人に拡大

「天空の城ラピュタ/バルス」のツイート数は2位以下を大きく引き離す桁違いの数であった


リアルタイム性で他メディアを圧倒するTwitterの強み

 CEOディック・コストロ氏はプレゼンテーションにおいて、Twitterの特性としてのリアルタイム性をあらためて強調。たんにリアルタイム性に強いだけでなく、その本質を「距離を近づける力がある」と表現。人同士の距離だけでなく、その人の関心のある情報との距離を圧倒的なスピードで近づける力こそ、Twitterの最大の特性だとしている。

 事例として、東日本大震災での特化されたハッシュタグによる情報交換やアラブの春における民主化運動に際しての情報発信とそれを応援する世界中の人々とのリアルタイムでのつながりなど、発生している現象へも大きな影響を及ぼすほどのパワーを有したコミュニケーションツールであることを強調。

 アラブの春に代表されるように、現象発生直後から発信されるだけでなく、現象が推移する中で、まさにその場からリアルタイムにツイートすることで、世界中のフォロワーが現象そのものを同時体験し、より深い共感を感じるなど、事後報道となるテレビ、他メディアとの本質的な違いを説明した。

 また、政治的言論に対してTwitterが与えた影響の重要性も紹介。従来のように翌日のプレス発表でやり取りされるディベートではなく、今やTwitterを活用したリアルタイムでのディベートは必須な状況にあると話した。


Twitterは世界中の人々とのリアルタイムでのつながりなど、発生している現象へも大きな影響を及ぼすほどのパワーを有したコミュニケーションツールであると述べた


日本での活用事例を教訓としたライフラインとしての活用と今後の展望

 コストロ氏は、今回の来日の目的を、日本におけるTwitter活用事例から多くの教訓を学び、それを今後のソリューション展開にいかすことにあると語る。

 特に東日本大震災においては、災害情報だけでなく、被災者個々人が抱える問題に特化したハッシュタグによる即時的な情報交換の有効性を大きく評価。災害時でも有効な情報交換ツールとしてだけでなく、日常的なライフラインを担保する情報ツールとしてのTwitter活用を世界にも教訓として伝えていきたいとし、日本のベストプラクティスに学ぶTwitterの利用方法に関しては、すでに世界各国政府からもTwitter社に問い合わせが入っているという。

 また、Twitterユーザの増加に伴うコンテンツ量の増加に対しては、関心のある情報により簡単にアクセス可能とするための機能拡張も進めている。すでに搭載しているDiscover機能などがその例であるが、ほかにも多くのユーザが体験を共有するTwitter上のイベントにおいては、ランダムにツイートを表示するのではなく、より権威あるツイートを優先して表示するといった機能なども予定されているとのこと。さらに、Open APIをより押し進めて、ビジネス活用も含めた真の意味でのリアルタイムプラットホームとなるソリューション提供を行っていくとしている。

 残念ながら、今回のメディアイベントでは具体的な新しいソリューションが提示されたわけではないが、コステロ氏としては日本市場の重要性を強調。日本におけるベストプラクティスを学ぶだけでなく、優良市場としての日本への投資およびスタッフの増強を行うと同時に、米国で展開しているビジネスソリューションを今後日本でも積極的に展開していくと語った。


今後、日本への投資およびスタッフの増強を行うと同時に、米国で展開しているビジネスソリューションを積極的に展開していくと語る




[プロフィール]
Twitter,Inc. CEO
ディック・コストロ氏

2007年にGoogleに合併されたFeedBurnerの創立者。合併後、Googleにおいてソーシャルメディア向けの広告プロダクトマネージャとして活動。その後、Twitter社にCOOとして勤務。Twitter創業者であるエバン・ウィリアムズ氏の辞任により新CEOに就任し、現在に至る。



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