今さら聞けない! レンタルサーバの選定と便利な使い方 第4回

今さら聞けない! レンタルサーバの選定と便利な使い方 第4回
第4回 レンタルサーバの便利な使い方


各ホスティングサービスの共用サーバには便利機能やお得な機能が備わっていることが多い。これらの機能をうまく利用することにより、Web制作の作業時間の短縮やコスト削減などをすることができる。各社で用意されている機能はさまざまだが、代表的なものをいくつか紹介しよう。

解説・文:阿部正幸(KDDIウェブコミュニケーションズ)



■SSH(セキュアシェル)

 SSH(セキュアシェル)接続が許可されているサーバであれば、ネットワークを介して、Webサーバにログインを行い、そのサーバ上でコマンド操作が可能だ。


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 SSH(セキュアシェル)が使えると具体的に何が便利になるかというと、まずはサーバ上でファイルやフォルダの圧縮・解凍ができることだ。大量のファイルやフォルダをFTPでアップロードすると、途中で接続が途切れたり、多くの時間がかかったりしてしまう。みなさんも不安定なFTP接続に苛立ったことが1度はあるのではないだろうか。大量にファイルやフォルダをアップロードする場合はSSHで接続し、サーバ上で圧縮・解凍機能を使うと素早く安定した転送が可能になる。※具体的な操作方法は最終回のコラム(バックアップを取得しよう)で紹介する予定だ。

 次に便利なのが、サーバ上のファイルを直接修正できるということだ。ちょっとした文字の修正や設定ファイルの変更などには、とても便利である。操作方法は、コマンド入力画面を開き、次のコマンド【%vi filename.txt】を入力するとエディター画面が出力される。


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 そのほかにもSSH(セキュアシェル)接続を行うとさまざまなコマンドを入力することが可能だ。ただし、接続方法や利用できるコマンドは各社によって違うので予め確認する必要がある。以前の共用サーバでは、SSH接続が許可されていないことが多かったが、最近のサーバは許可されていることが多いので、ひとつの選定基準としても良いだろう。



■WebDAV機能

 さて、本記事を読んでいるみなさんは、クライアントとのデータのやり取りやデザインデータなどをどのように保管しているだろうか。最近では無料のストレージサービスなどが多く存在するが、通信速度が遅かったり、ディスク容量が少なかったりして不満に感じていないだろうか。さらに無料のストレージサービスは、情報漏洩などの不安もないわけではない。このような不満を感じているユーザーにお勧めしたいのがWebDAV機能だ。

 レンタルしたWebサーバの容量が100GBでも実際は1GB程度の利用がほとんどで、残りの99GBはあまり利用していないという人も多い。WebDAV機能を使うと借りたサーバ上の空き容量を利用して、ファイルやフォルダを管理することができる。

ちなみに操作は簡単で、Windowsのファイル操作のような感覚でできるので、使い方を覚える必要もない。


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CPIで提供しているCMSインストーラー


■CMSインストーラー

 多くのレンタル共用レンタルサーバでは、CMSインストーラーが付いている。CMSとはコンテンツマネージメントシステムの略で、サイトオーナーがブログを更新する様な感覚でWebサイトを更新することができるシステムだ。このCSMをレンタルサーバにインストールするには各CMSのマニュアルに従い、設定を行わないといけないが、レンタルサーバに付随のインストーラーを使うことで、煩わしい設定を省略することができる。

W3 Techs」の調査によると、2010年4月のCMS利用率は17.6%、現在(2012年8月時点)は、30.9%まで上昇している。今後さらにCSMが簡単に導入・構築できるようになれば、Webサイト制作とセットでCMSが導入されるのが当たり前の時代になるかもしれない。


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世界でもっとも使われているCMSはWordPress、2位Joomla、3位Drupal。日本でも馴染みのCMSだ




さて、今回は「レンタルサーバの便利な使い方」について紹介した。サーバ各社とも、これ以外にも便利な機能が豊富に用意されており、ここだけでは紹介しきれないが、ほかにもさまざまな機能が付随されているので、いろいろと利用してみるといいだろう。

次回のコラムは、レンタルサーバの便利機能を使用して「テスト環境を構築する方法」を説明しよう。



[プロフィール]
KDDIウェブコミュニケーションズ
企画開発本部 阿部正幸

●Web制作の現場でプログラム、ディレクションなどを担当。現在は、ホスティングブランド『CPI』の共用サーバのプロダクトマネージャーを担当し、先日提供を開始したサーバツール「SmartRelease」の企画・立案を行う。url:http://www.cpi.ad.jp/shared/smartrelease/

2012/09/12

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