ソフトバンクモバイル、気球を利用した臨時無線中継システムの実証実験結果を発表

ソフトバンクモバイル、気球を利用した臨時無線中継システムの実証実験結果を発表
ソフトバンクモバイル株式会社は、災害などで通信障害が発生しているサービスエリアを迅速に復旧させることを目的に、係留気球を利用した臨時無線中継システムの実証実験を2012年5月から約10カ月間実施し、その結果を発表した。

同実験では、中継元基地局(親機)と気球中継局(子機)で構成されており、子機を介して移動体通信網と移動局が接続され、3G端末(2.1GHz帯)での音声通話・データ通信が利用可能となる。子機の位置と高度を安定させるために係留気球を利用し、また気球を扁平型にすることにより気球の空中姿勢を安定させている。

気球の高度(アンテナまでの高さ)は地上約100mで、サービスエリアは郊外地において半径3km以上を確保できる。また、親機と子機の間の中継距離は見通しで5km以上確保できる。

実証実験の結果、昨年よりシステムの有効性が確認されている、広帯域通信が可能な中継元基地局を移動体通信網に直接接続する構成に加えて、衛星通信回線を介して移動体通信網に接続する構成を新たに構築した。これにより、中継元の基地局に影響があり、通信が確保できない場合も、迅速に通信を復旧させることが可能となる。

同実験は2013年6月末まで引き続き行う予定で、実験結果を踏まえて、災害時の臨時回線としての利用に備えて、気球無線中継システムを全国の主要拠点に配備する予定だ。


中継元基地局を移動体通信網へ直接接続する構成


衛星通信回線を介して移動体通信網に接続する構成

発表資料
URL:http://www.softbankmobile.co.jp/ja/news/press/2013/20130301_01/
2013/03/04

MdN DIのトップぺージ