Photosphereに対応を急ぐFacebookについていけ

Photosphereに対応を急ぐFacebookについていけ
2013年03月11日
TEXT:小川 浩(シリアルアントレプレナー)

Facebookが予定通りニュースフィードの変更を発表した。日本に住む我々が、実際にそれが使えるようになるまでには数週間から数カ月待つことになりそうだ。Facebook側が地域ごとに反応を見ながら普及を目指す、ということらしい。

さまざまなメディアで流れ出た彼らのデモ画面を見る限り、新しいニュースフィードはTumblrに酷似している。画像を大きく見せ、画像や動画などのメディアごとにフィードを絞り込むこともできる。いよいよFacebookはPhotosphere(画像起点のトラフィックにシフトしたWeb)への対応に舵を取りはじめた。

以前、Facebookはタイムラインへの移行を実施したが、結果的にはFacebookページへのトラフィックがタイムライン化以前と以後で半減するという自体を招いた。これによって、Facebookページの見ばえやアプリ開発を中心にソーシャルメディアマーケティング支援を行なっていた企業群(InvolverやBuddyMediaなど。余談だが、先日僕は自分の会社をInvolverと間違えられた(笑))が、事業存続性を否定されることになり、ほぼすべてがGoogleやOracleなどの大企業からの買収に応じて市場自体が消滅した。

とはいえ、Facebook上のコンテンツの30%はすでにFacebookページ、つまり企業発信の情報になっているという。Facebook上に寄生していたソーシャルメディアマーケティング企業は一掃されたが、Facebookの企業利用は進んでいるわけだ。逆に言えば、Facebookにとっては彼らこそが広告主であり、重要な顧客になる。

今回のニュースフィードのレイアウト変更では、Facebookページの投稿についても大きく表示されることになり、良質なコンテンツを届けてさえいれば、ほかのユーザーにリアルタイムな情報を提供するチャンスは増えるかもしれない。特に、全ソーシャルメディアの70%のトラフィック発生源となった画像が重要で、企業はただ記事を投稿するのではなく、必ずユーザーの目を引く写真を貼付して投稿しなければならない。とはいえ、気の利いた企業なら、そんなことは百も承知だから、Facebookページのオーナー達は、ライバルより目立ちクリックしてもらうために、とにかく刺激ある画像の選択に頭を悩ますことになるだろう。

もうひとつ、企業サイトを制作するビジネスをしているクリエイターならば、必ずOGP(オープングラフプロトコル)の対応をするべきだし、RSSフィードに最上の画像を織り込むなどの工夫をしなくてはならない。Facebookがいま行なっている自己改革とは、すなわちPhotosphereへの対応である。


左がこれまでのニュースフィード、右が新しいニュースフィード




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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろ●シリアルアントレプレナー。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。
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