秒速結婚で話題になったLIGの竹内さんに詳しい話を聞いてきました

秒速結婚で話題になったLIGの竹内さんに詳しい話を聞いてきました
2013年04月25日
TEXT:恵子ワンダー

2013年4月、ひとつのニュースがWeb上を駆け巡りました。それは「30年彼女がいなかったひとりの男が、エイプリルフールに自社の公式ブログで嫁募集告知を行い、11日間で入籍までこぎつけた」というニュースです。FacebookやTwitterを通じて、この“秒速結婚”ニュースはまたたく間に拡散しました。少子化、草食男子、非婚……日本の将来を憂えるいくつもの課題を、軽々と、しかも“30年彼女がいなかった男”がクリアしたのですから驚きです。ウソのような話です。

秒速結婚を成し遂げた張本人は、Web制作会社である株式会社LIGのメディア事業部・部長、竹内紳也さん。ここで、これまでの経緯をおさらいします。

事の発端は、2013年4月1日に嫁募集記事が公開されたこと。ふだんの竹内さんからは想像できないような、かなりはっちゃけたバナーが使用されていました。

「紳さんこと、株式会社LIGメディア事業部・部長の竹内紳也が嫁を募集します。」
http://liginc.co.jp/news/notice/other-notice/20746

そして、唐突に行われた「結婚のご報告記事」。これが「4月17日」の公開です。記事によると、入籍は「2013年4月12日」ということですから、入籍5日後に報告がなされました。

「結婚のご報告。30年彼女がいなかった僕が、秒速で結婚できた理由。」
http://liginc.co.jp/news/notice/other-notice/23810

「4月1日の嫁募集から11日間で、そして出会ってから3時間弱で正式に結婚する事が出来ました。」とあります。ここで、ふつうの大人は「大丈夫なのか?」という感想を抱くのが当然ではないかと思います。結婚といえば、いろんなことがあります。何年も付き合ったとしても、いざ一緒に生活してみたら「こんなはずじゃなかった……」なんてこと、ゴマンとあります。もしかして、会社同士の付き合いから抜け出せなくて結婚してしまった、とか、その場の雰囲気に押し流されて、とりあえず入籍しちゃった(テヘペロ)、とか、とりあえずページビューが稼げればそれでいいじゃん、とか……そんな悲劇やどす黒い闇が、もしや、この秒速結婚ニュースの裏に潜んでいるのかも!?

世間から多くの注目を集めた竹内さんと、お相手であるトレンダーズ株式会社のMさんご両名に、本当に本当に本当のところを聞いてみたくなり、入籍から2週間が過ぎたいま、あらためてお話をうかがってみました。


竹内さんとMさん

――おふたりにお伺いします。発表から1週間も経たないうちに、ネット上ではさまざまな方から賛否両論渦巻いている状況です。その辺りの記事には目を通されていますか? ここまでの反響は想定の範囲内でしょうか?

竹内さん●今回の結婚報告については有名ブロガーと呼ばれるような人にも記事を書いていただいたりと、ここまでの反響は予想以上でした。ただ、結婚そのものは祝福してくれる方がほとんどですので、嬉しく思っています。

Mさん●仕事柄、インターネットユーザーの方がどのような反応をするのかは興味があったので、発表から数日は、ひたすらTwitterのリアルタイム検索をしていました(笑)。いろんな方に、いろんなことを言われるのは想定内でした。たくさんの方に祝福のメッセージをいただいたのは、素直に嬉しかったです。


――竹内さんにおうかがいします。Mさんの顔写真を見たのはいつですか?

竹内さん●提案書に顔写真が載っていたので、そこで初めて見ました。でも、なんとなく実際の顔との整合性は高くないな、と感じていました。女の子の送ってくる写真ですので、基本的に「奇跡の1枚」の可能性が高いな、と。


――ということは、変な期待はしていなかったってことでしょうか。初めて会議室で対面した時の、それぞれの率直な印象を正直に教えてください。

竹内さん●可愛らしい人。

Mさん●やさしそうな人。……実際、とってもやさしいです。


――Mさんは竹内さんのブログを読んでいて、なんとなく人となりをわかっていたと思いますが、逆に竹内さん側にはMさんの情報は少なかったはずです。不安はなかったのでしょうか?

竹内さん●なかったです。エイプリルフールの僕の記事を見て、その日のうちに「本気で結婚したい」と提案書を送ってくるような人だったので、それだけで十分でした。


――Mさんの提案書は、記事で一部公開されていますね。とてもわかりやすいと思いました。Mさんは、いつもああいった企画書をつくられているお仕事なのでしょうか?

Mさん●ありがとうございます。私はふだん、プランナーとして企画を考えたり、文章をつくったりする仕事をしているので、今回の「提案書」というスタイルは、自分らしさを表現するという意味でも成功だったかなと思います。ブログでは少し割愛されていて、実際は、9ページくらいの、もう少し長いものだったのですが、自然に構成や言葉が浮かんできて、あっという間にできあがりました。


Mさんが送った提案書



――竹内さんは、提案書のどの部分にいちばん心を動かされましたか?

竹内さん●真面目なメッセージ、という部分にいちばん心を動かされました。彼女の家族のことや仕事のこと、今回の結婚についての正直な気持ちなどが書かれていたのですが、そんななかでも「正しいのかどうかはよくわかりませんが、一緒にふたりだけの正解をつくっていきたい」というセリフに感動しました。この人となら、協力して生活できそうだな、と。


――Mさんにおうかがいしますが、「提案書をつくる」というアイデアは、どのように生まれたのでしょうか。これまでにも、異性への告白の手段として、提案書をつくるというアイデアを使ったことはありますか?

Mさん●提案書をつくったのは、さすがに初めてです……。「エイプリールフールにお嫁さんを真剣に募集する」という彼のユニークさに、なにかしらの形でこたえたいと思ったときに、ふとアイデアが湧いてきました。

――提案書をつくって送り終わったときに、どこまでの展開を想像していましたか?

Mさん●募集時のブログに「まずは一人ひとりに会って……」と書いてあったので、興味をもってもらえたら、まずはふたりでゆっくり話したいなと思っていました。まさか初対面でプロポーズしてもらえるとは、予想もしていなかったです。


――会社の会議室で、しかもお互いの会社の社長同席の上でのプロポーズって……なにかの番組のドッキリみたいですよね(笑)。「婚姻届を持参する」というアイデアは、どこで生まれたのでしょうか。

竹内さん●これは、プロポーズの前日に飲み会の場でLIGのみんなから出たアイデアです。僕としても、商談の際に提案書と契約書をセットでもっていく、というのは自然なことですので、特に違和感はありませんでした。


――おふたりにあらためてお伺いします。婚姻届を提出する際に、本当に本当に迷いはなかったですか?

竹内さん●一切なかったです。迷う理由が探せませんでした。

Mさん●迷いはまったくなかったです。会って数時間しか経っていないはずなのに、結婚することがすごく当たり前のことのように感じました。


――ちなみに、ご両親への挨拶はもう済ませられたのでしょうか?

竹内さん●お互いの両親に電話で報告をさせていただきました。これから、実際に会って挨拶をしたいと思っております。


――今後のおふたりの目標を、教えてください。

竹内さん●嫁を幸せにしながら、会社に貢献をすることです。そして、Web業界のプレーヤーとして一流を目指したいと思います。

Mさん●お互い、企画やライティングの仕事をしているため、一緒に話していて参考になることがすごく多いので、今の仕事にうまく生かして、幅を広げていきたいなと思っています。あとは、彼のために夕食をつくる時間が今すごく幸せなので、仕事と家庭のバランスをじょうずにとって、彼が「家に帰るのが楽しみ」と思ってくれような、美味しいごはんをつくり続けたいです。


――今回のご結婚は長く語り継がれることになると思います。今後の結婚生活についても、またブログ上でご報告いただけますか?

竹内さん●リクエストがあれば……。

Mさん●ニーズがあるなら……。


――今後、相手に望むことがありましたら、教えてください。

竹内さん●健康で、笑顔で、ずっと隣に居てください!

Mさん●おじいちゃんと、おばあちゃんになっても、ずっと仲良くしてください!



(インタビューを終えて)
自分たちの突拍子のない行動を自覚しながらも、真摯にお互いに向き合っているご様子でした。あらためまして、ご結婚おめでとうございます。末永くお幸せに!

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