NTT、大規模災害時に通信を即時回復する「ICTカー」を発表

NTT、大規模災害時に通信を即時回復する「ICTカー」を発表

日本電信電話株式会社(NTT)は、東北大学と富士通株式会社、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社(NTTコミュニケーションズ)と共同で推進している研究開発プロジェクトの一環で、大規模災害時に通信の即時回復を可能にするICTカーを開発したと発表した。

同自動車は、通話や情報処理などのICT(Information and Communication Technology)環境の提供に必要な装置類をコンパクトに収容したバンタイプの自動車。大規模災害時に被災地に搬送・設置することにより、半径500mエリア内のスポットを短時間でWi-Fiエリア化し、エリア内の被災者にICT利用環境を提供する。

たとえば通話機能の場合、被災者が契約する通信キャリアに関係なく、手持ちのスマートフォンを使っていつもの電話番号のままでWi-Fiエリア内にいる相手との通話を可能にする。さらに、光回線や衛星回線を通じてICTカーを広域網に接続することにより、被災地の外側にいる相手との通話やインターネットの利用も可能となる。

また、顔写真と免許証や学生証などに書かれた氏名・住所・性別・年齢などをタブレットのカメラで撮影し、登録することで被災者情報のデータベースを構築できる「被災者データ収集システム」も搭載する。

このほか、即時通信回復機能については、提供機能を絞り込むことで可搬性を高めた「アタッシュケース型ICT BOX」も合わせて開発した。通話機能を提供するアタッシュケースには、交換機能を有するパソコン、バッテリー、Wi-Fiアクセスポイントを搭載し、被災地に持ち込むことで即座に通話手段を提供できる。

同社は今後、ICTカー活用の効果検証を目的とした実証実験を予定しており、1~2年以内にNTTグループ各社や地方公共団体などへの導入を目指すとコメントしている。


ICTカー

発表資料
URL:http://www.ntt.co.jp/news2014/1401/140128a.html
2014/01/28



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