縦置きも可能なNFC対応Bluetoothポータブルスピーカー「Klipsch GiG」レビュー

縦置きも可能なNFC対応Bluetoothポータブルスピーカー「Klipsch GiG」レビュー

2014年03月04日
TEXT:片岡義明

フロンティアファクトリー株式会社は、米Klipsch(クリプシュ)のBluetooth対応ポータブルスピーカー「GiG(ギグ)」を発売した。横置きだけでなく、独自の「ボディーケースバンド」により縦置きも可能なユニークデザインのこの製品は、スピーカー側でボリュームコントロールや曲送り操作なども行える。今回はこのスピーカーについてレビューをお送りしたい。


【図1】片手で気軽に持ち運べる


■縦置きを可能にするユニークなボディケースカバー

Klipschは全米の劇場で採用されているスピーカーの中でも高シェアを獲得しているブランドで、業務用だけでなく家庭用のホームシアターやコンパクトスピーカー、イヤホンなども人気だ。GiGはサイズは91(高さ)×178(横)×53(奥行き)mm、重量は600gと、同社のBluetoothスピーカーのラインアップの中でも最もコンパクトなモデル。旅行や車載用として持ち歩くのには最適で、もちろん家の中で部屋を移動しながら使うのにも適している。

GiGの最大の特長は、本体をコの字型に覆うボディケースカバー(バンド)だ。このカバーはスイッチや端子を保護するカバーであると同時に、引き出してL字の形に配置させることにより、縦置きにするためのスタンドにもなる。カバーは広げる際に小さなクリック音とともに固定できる一方で、しっかりと自立し、持ち運ぶときはカバーを簡単に畳んで元通りに収納できる。

なお、GiGはバンドがホワイトとブラックの2色から選べるが、そのほかに多彩なカラーバンドも限定販売されている。ブルー、イエロー、レッド、オレンジ、ピンク、パープルの6色から選んで付け替えることによって、自分の好みの色に変えられる。

バッテリーはリチウムイオンバッテリーを内蔵する。バッテリー持続時間は通常の音量で12時間、最大音量で4時間。バッテリーへの充電はUSBケーブルで行う。


【図2】ボタンがなくすっきりとしたデザイン


【図3】ボディケースカバーを広げた状態


【図4】縦置き時にはスタンドになる


【図5】多彩なカラーバンドを用意


■コントロールリングで音量や曲送りを操作可能

同製品は、コントロールリングと電源/Bluetooth切り替えのためのスライドスイッチしか搭載していないシンプル設計で、主な操作はコントロールリングだけで行う。ちなみにコントロールリングのパネルにはバッテリー残量表示のインジケーターも搭載している。

コントロールリングを回すことによって音量を調整できるほか、リングを1回押すと再生、2回押すと1曲送り、3回押すと1曲戻しとなる。また、GiGにはマイクを搭載しており、スマートフォンと通信することによりハンズフリー通話も可能だ。電話着信の際にリングを1回押すと着信応答し、2回押すとスピーカーとスマートフォンとで通話機器を切り替えられる。

さらに、リングを押しながら左に回すとミュートになり、押しながら右に回るとミュート解除、リングを2秒長押しするとiPhoneではSiri、Androidでは音声コマンドを入力可能となる。このほか、電源/Bluetoothスイッチを10秒以上スライドすると、過去のペア情報をクリアできる。

なお、GiGはNFCにも対応しており、本体上部のNFC部分にNFC対応機器を近づけると登録できる。筆者が手持ちのNexus 5およびNexus 10で試してみたところ、両製品ともに問題なくペアリングができた。ペアリングが完了すれば音楽だけでなく動画やゲームの音声もGiGで聴けるようになる。

また、同製品にはステレオミニジャック(外部入力)も搭載しており、Bluetoothに対応していない製品も、GiGのBluetooth接続を解除することにより、好きな曲をスピーカーで楽しめる。


【図6】コントロールリング


【図7】バッテリ残量表示のインジケーター


【図8】電源/Bluetooth切り替えスイッチとUSBポート、ステレオミニジャック


【図9】付属のACアダプタやステレオケーブル、USBケーブル


■小型ながらも抜けの良いサウンドを楽しめるポータブルスピーカー

搭載されているスピーカーは5W(2.5cm)のフルレンジドライバーが2基で、定格出力は20W。エンクロージャーはパッシブラジエーター型(5.1cmバスラジエーター搭載)。最大出力は96dB(近距離0.5m)で、室内はもちろん屋外でも物足りなさは感じないだろう。

音質は抜けがよく元気な音で、それでいて聴き疲れがしない。サイズが小さいため低域は強くないが、筐体がしっかりしているせいか音量を上げても歪んだりせず上質な音を楽しめる。

このように軽量・コンパクトかつシンプルな操作性で、しっかりとした音を聴かせてくれるこのスピーカー、価格は約2万円とBluetoothスピーカーの中では高めではあるが、小さいながらも本格的な音を楽しめるし、ボタンが少なくすっきりとしたデザインも魅力だ。コンパクトで音の良いBluetoothスピーカーの購入を検討している人は要チェックだ。


【図10】ボディケースカバーを開けるとNFCマークが見える


【図11】端末をタッチさせるだけでペアリングできる


■製品概要
●価格
GiG 20790円
カラーバンド 2625円
(いずれも2014年2月28日現在の価格)

●付属品
USB電源アダプター(USB電源アダプターケーブル)、3.5mmステレオケーブル、本体用キャリングポーチ、アダプター用キャリングポーチ

■問い合わせ
フロンティアファクトリー株式会社
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