【イベントレポート】DeNA、初心者向けスマホUIデザインワークショップを開催

【イベントレポート】DeNA、初心者向けスマホUIデザインワークショップを開催

2014年05月02日
TEXT:佐藤崇敏

株式会社ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)は4月19日(土)、東京・渋谷ヒカリエにある会議室にて、スマートフォンアプリのUI/UXデザインの初心者を対象にしたワークショップ「はじめてのアプリUI、実践的プロトタイピング」を開催した。集まった参加者はおよそ40名。ペルソナやユーザーシナリオの設計の講義からはじまり、課題テーマである「ヘアカタログSNSのデザイン」の課題について参加者同士のブレストを経て、最終的に紙ベースでのプロトタイプを作成するという流れで進められた同ワークショップ。参加者アンケートで97.5%が「満足した」と回答した充実のワークショップとなった。




タイムスケジュールとカリキュラム
以下は、ワークショップのタイムスケジュールだ。5時間30分と長丁場ではあったが、1日でUXの基礎的な概念からUIの実装まで学べる密度の濃い内容となった。

▼座学を織り交ぜつつワークショップの全体的な説明
・ペルソナとは?
→課題で提示するペルソナの説明と合わせて
・ユーザーシナリオとは?
→課題で提示するユーザーシナリオと合わせて
・課題テーマ「ヘアカタログSNS」の説明
・素早くラフを何回もつくる効果の実体験(立方体を紙でつくる心理テストの実験)
・サービスにおけるビジネスゴール的なユーザーに提供したい価値の説明
▼ブレスト
・グループわけ
・グループディスカッション
▼プロトタイピング
・ホワイトボードを使った、サービスのワイヤーフレーム作成
・プロトタイピングツール(POPなど)の説明
・プロトタイピングの作成
▼まとめ
・発表と講評会、リフレクション
▼懇親会


ワークショップの模様
●ペルソナとは?
講師から伝えられたのは、「ペルソナの人物像をより明確にするために、容姿や名前、知識レベル、ふだんの仕事、ライフスタイルなど設定することの大切さ」。ユーザーとサービスとの適切なインタラクションをメンバーが具体的にイメージしやすくなり、UI/UXを考える際に開発メンバー間でユーザー視点の共通化が実現でき、誰のためのサービスなのかが明確になるからだ。加えて「サービスの目的やコンセプトを明らかにするため」に、サービスに対するペルソナの利用方法や目的、体験といったユースケースを物語風のシナリオとして描くことのメリットもレクチャーされた。




●ブレストについて
いろいろなバックグラウンドをもつデザイナーが参加したため、非常に盛り上がっていた。実際にスマートフォンを使って考えるチームや、紙にアイデアを羅列するチームなど、アウトプットの手法はさまざま。課題を詰めて行くプロセスにおいても、わかりやすさ重視か、新しさ重視か、一点集中型か、多機能型かなど、多くの議論が交わされた。実施後のアンケートでは「多くのやり方や考え方に触れられて刺激になった」という感想が寄せられた。

●最後のモック作成
各チームから出た多くのアイデアは、ひとつのモックに結実させなければならない。「そもそもどの機能が大事なのか」「シンプルにするためにはなにをそぎ落とさねばならないのか」「そのために必要なUIはなにか」など熱い議論を交わしながら、各チームがモックを作成していく。最後にそれぞれのチームがプレゼンを行い、ワークショップは幕を閉じた。


参加者の感想
最後に配布したアンケートで、参加者より以下のような感想をいただいた。多くの参加者がポジティブにとらえていたようだ。

・一生懸命つくったアイデアを捨てて、新しいアイデアを展開する勇気とスピード感を実感できた
・短時間でプロトタイピングまでアウトプットできたことに、感動した
・実際の業務でもコストをかけず手軽にできることなので、すぐに取り入れたい
・ブレストでのアイデア発散から収束までの方法論がわかった
・シンプルさを追求するのが大事だとわかった
・面識のない方の多くのアイデアに触れられて新鮮


次回開催の予定について
2014年5月10日(土)に、東京・渋谷ヒカリエにて同ワークショップを再び開催することが決定した。詳細はこちらを参照していただきたい。
http://atnd.org/events/50262



[著者プロフィール]
佐藤 崇敏(さとう・たかとし)●株式会社ディー・エヌ・エー ヒューマンリソース統括部に所属。今回のワークショップの運営を担当。

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