Apple Watchを買いたくなるような使い方を考えてみた

Apple Watchを買いたくなるような使い方を考えてみた

2015年04月27日
TEXT:小川 浩(シリアルアントレプレナー)



すでにソーシャル上は、Apple Watchを入手した人たちの写真投稿でいっぱいだ。Apple愛好家として自認する僕としては、ちょっと置いていかれたような気分になるのだが、やはり買わない(笑)。買わない理由は前回のコラムを参照してほしい(参照:僕がApple Watchを買わない3つの理由)。

しかし、仮に誰かからプレゼントしてもらったと想定して、楽しい使い方を考えてみるのは一興だ。考えているうちに、ちょっと買ってみようかと思うようになるかもしれない。

■オートバイや自転車のナビとして
最近では、オートバイや自転車に乗る際、スマートフォンをハンドルなどに固定してナビとして利用するというのは、よく見る光景だ。

Apple Watchの利用方法として、僕が最初に思いつくのは、ナビとしての活用だ。そもそもフィットネス用アプリが最初から装備されているように、ジョギングの友としてのApple Watchの使い途については、疑いなく役に立つものだ。しかし、オートバイや自転車のように、ジョギングより高速で移動する場合、さらに重宝すると思う。特に、振動によってさまざまな情報を通知してくれるApple Watchは、非常に優秀なナビになる可能性が高い。高速移動中に困るのは、たとえば三叉路で瞬間的に右か左か真っ直ぐかを判断することだったりする。振動の回数によって方向を指し示してくれれば、実にありがたいナビとなるはずである。

■仕事中のタイマーとして
ちょっと地味な使い方に思うかもしれないが、実は僕はiPhoneで最も使うアプリが、カメラを除けば時計のタイマー機能なのだ。ミーティングをしたり、ちょっと気を抜く時間をつくったり、移動の合間に集中して資料をつくることはよくあるが、うっかり出発時間を過ぎてしまうこともなくはない。だから僕は、つねに小刻みにタイマーを設定する。

「15分後に移動」や「1時間でミーティングを切り上げよう」など、細かい時間のタイミングを設定することで、逆に時間を気にせず仕事に没頭できる。ただiPhoneだと音がするし、バイブレーションに設定しも誰かとのミーティングの際はそれと知られてしまう。しかしApple Watchであれば、つけている本人以外にはわからない、微妙な振動で知らせてくれる。


ただし、この使い方はやはり四六時中AppleWatchをつけていることになり、これまで相棒として共に過ごしてきた時計を外してまで毎日つける気にはなれないので、少なくとも僕は購入するモチベーションにはつながらない。

Apple Watchは、情報発信ツールではない。Siriを使ってメールを書くとしても、手間を考えれば電話をかけたりiPhoneを使うほうが断然早い。やはり、つねに携帯することで情報通知をしてくれるデバイスなのだと思う。となると、なんらかの行動制約があり、受動的にしか情報を扱えない状況にあるときにこそ、真の意義をもつデバイスだといえよう。

前述のツーリングなど、受動的にしか情報を扱えないライフスタイルに時間を使うような人であれば、買ってもよいデバイスなのだろう。…しかし、やはりまだ「買うべき」とはいえない。




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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろ●シリアルアントレプレナー。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。
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