2015年6月6日
TEXT：草野恵子

ひとりでのんびり過ごしたり、気のおけない友達とおしゃべりに興じたり…ここ数年のカフェブームも相まって、行きつけのお気に入りのカフェがある人も多いのではないだろうか。そんなカフェで過ごす時間に、アートを楽しむ要素も加わったら、さらに楽しい！ というわけで、今回は東京都内で本物のアートを楽しめるカフェを厳選してご紹介。美術館併設のカフェから新規オープンのお店まで、「こんなお店もあったのか！」と目からウロコのラインナップ！

■THE SUN＆THE MOON（六本木）※2015年6月新規オープン

まず最初にご紹介したいのは、今月オープンしたばかりのミュージアムカフェ＆レストラン「THE SUN＆THE MOON」だ。六本木ヒルズ52階の展望台と同じフロアに位置し、アートと眺望を両方満喫できる日本一高い場所にあるカフェ＆レストランとなる。同店はカジュアルなカフェ「THE SUN」と、フレンチを基本としたレストラン「THE MOON」が隣り合っており、それぞれのスペースには、“光”をテーマに森美術館のキュレーターによってセレクトされた、杉本博司、篠田太郎、廣瀬智史、ヤン・ヘギュ、ポクロン・アナディン、ローラン・グラッソらのアート作品が設置されている。現在、カフェ「THE SUN」では、オラファー・エリアソンらによる「Little Sun」プロジェクトも展示中だ。

■東京都庭園美術館 Café du Palais（目黒）

2014年11月、約3年にわたる大規模な改修工事を経て新しくなった東京都庭園美術館。東京都指定文化財である旧朝香宮邸を継承した本館は、創建当初の姿に忠実に修復され、その奥にはホワイト・キューブの展示空間が備わった新館が誕生し、話題をさらった。新館に位置する「Café du Palais」は、まるで都会のオアシス。「邸宅のカフェ」を意味する店名のとおり、きれいに手入れされた庭園を眺めながらいただくティータイムは、ぜいたくな時間となること間違いなし！ ※カフェを利用するには展覧会チケットが必要

■IMA CONCEPT STORE（六本木）

アートの中でも、特に写真作品が好きな方におすすめなのが、六本木のAXISビル3階にある「IMA CONCEPT STORE」だ。雑誌『IMA』やWebサイト「IMA ONLINE」を展開する「IMAメディアプロジェクト」（アマナホールディングス）主催による同店は、“LIVING WITH PHOTOGRAPHY”をコンセプトに、ギャラリー、ブックストア、カフェという3つの機能を兼ね備え、写真に特化した商業スペースとしては都内最大の500平方メートルの店舗面積を誇っている。ギャラリーでゆったりと作品を鑑賞し、気になった写真集を棚から取り出して眺め…少し疲れたら、こだわりのコーヒーで一休みできる。ゆとりの空間が、とにかく心地よい。写真にまつわるトークショーなどさまざまなイベントも開催しているので、気になる人はぜひチェックしてみてほしい。ちなみに「IMA CONCEPT STORE」へは、AXISビル中央にあるデザイナー・倉俣史朗による傑作と名高いガラスの吹き抜け階段を使って上がるのがオススメ！

■原美術館 カフェ ダール（品川）

1938年建造の洋館を改装し、1979年に開館した原美術館は、国内外の現代アートを紹介する人気のミュージアム。作品が設置された美しい中庭をのぞむことができる「カフェ ダール」は、1980年代のオープン以来、多くのアートファンに長年親しまれているカフェだ。都会の真ん中であることを忘れるほど静かで、ゆったりとした時間を過ごすことができる。また、展覧会のイメージに合わせて、会期限定で登場するオリジナルのイメージケーキも人気のひとつだ。※カフェを利用するには原美術館入館料が必要

■Bar Zingaro（中野）

最後にご紹介したいのは、国内外で躍進し続けるアーティスト・村上隆率いるカイカイキキがプロデュースするカフェ「Bar Zingaro」だ。中野ブロードウェイ内にある同店は、中野ブロードウェイ内にあるギャラリー「Kaikai Zingaro」「Hidari Zingaro」「pixiv Zingaro」「Oz Zingaro」をつなげるコミュニケーションの場として、2013年11月にオープン。アート作品の展示はもちろん、スペシャルティコーヒー、カクテルなどを各種提供している。店内はさほど広くないが、それだけにコミュニケーションの場としての機能に期待できる。ギャラリー巡りでのどが渇いたら「Bar Zingaro」へ！が、最近の中野ブロードウェイのお約束、なのかもしれない。