調査レポート:BtoB企業で進むソーシャル活用68.9%―外注先に望むデザイン力

調査レポート:BtoB企業で進むソーシャル活用68.9%―外注先に望むデザイン力

2015年7月1日
TEXT:中村竜次郎(ガイアックス)



BtoB企業にインバウンドマーケティング(Webサイトを活用した見込み顧客の獲得から受注までの考え方)の導入を支援するガイアックスでは、BtoB企業のWebマーケティングに従事する担当者に実態調査を実施した。ソーシャルメディアマーケティングやコンテンツマーケティングへの取り組みが進み、外注先やディレクター、デザイナーに求められる役割も拡大している。調査内容とともに、これからのBtoB企業へのアプローチ方法を考えたい。

【調査方法】
・2015年3月~5月にインターネットリサーチを利用し実施
・売上規模20億円以上のBtoB企業でWebマーケティング関連業務に従事する方々が対象
・調査地域は全国47都道府県
・有効回答数:330

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ソーシャルメディア活用は68.9%。効果の実感はFacebookがダントツの57.1%



Webサイトへの流入経路が多様化しているなかで、BtoB企業でも新たなチャネルを模索している。実に68.9%の人がソーシャルメディアを活用していると回答し、そのなかでもFacebookへの注目度が高いことがわかった。

Facebookは匿名性の高いTwitterなどと違い、ページに「いいね!」している人の氏名などある程度の属性情報を得ることができる。ターゲットをセグメントして広告配信が可能という点も、効果の実感に寄与していると考えられそうだ。特にBtoBでもコンテンツマーケティングが流行する昨今、ソーシャルメディアが拡散に有効となれば、使わない手はない。

とはいえ、個人のフィードに多くの情報が流れるなかで、見つけてもらうのは至難の業。インパクトのあるデザイン性の高いOGP画像を設置するなど、目に留める工夫が必要になる。


人手不足に悩むBtoB企業の制作・運用業務。外注に頼る傾向









BtoB企業では、Webサイトの制作・運用をアウトソーシングする傾向にある。制作フェーズでは社内で企画、設計を担当する企業がある一方、デザインは外注との回答が多い(56.6%)。運用フェーズではアクセス解析などのデータ分析や、それにあわせた改善作業を内製化する傾向にある。

いずれにせよ、アウトソーシング先には企画提案、スピード、デザインの質が求められ、ニーズにいかに対応できるかが大切といえよう。


施策はコンテンツ拡充に注力。SEOを意識か



多くの企業で、コンテンツの拡充に注力している傾向にある(57.4%)。Googleのペンギンアップデートの影響で、大量の被リンクを獲得するような対策では検索上位に表示されにくくなったのはご存知の通り。ブラックハットSEOを実施すれば、たちまちスパム判定され、検索エンジンからはじき出されてしまう。

そこで良質な記事を公開することで、検索エンジンにも評価され、かつターゲットとなるユーザに認知してもらうコンテンツマーケティングを実施する企業が増えてきている。

一方で、ブログ活用への興味は薄い(14.8%)。「コンテンツは増やしたいが、ブログを立ち上げるまでもない」と考えているのかもしれない。コンテンツマーケティングが人気ということで、「ブログを立ち上げましょう」という安易な提案は刺さらない可能性が高く、注意が必要だ。


求められるコンテンツとソーシャルを意識したデザイン性

このほかにも「Webマーケティングの指標として求められるもの」が「受注数」であったり、「導入しているマーケティングツール」に「マーケティングオートメーションツールやSFA」などの回答が多かったりと、BtoB企業のWebマーケティング従事者は、より営業を意識していると考えられる調査結果となった。

ディレクターやデザイナーに求められるのは、「成果を意識した提案」といえるのではないだろうか。


実態調査レポートの無料ダウンロード。BtoB企業のマーケティング予算情報なども

ガイアックスのWebサイトでは、今回紹介したBtoB企業のWebマーケティングの実態調査レポートを無料でダウンロードできる。クライアントへの提案やマーケティングの実情を知る上でも、ぜひご覧いただきたい。
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[筆者プロフィール]
中村竜次郎(ガイアックス ビジネスマーケティング事業部 マネジャー)●BtoB企業へインバウンドマーケティングの導入支援や、自社メディアである「INBOUND marketing blog」の編集長、自社サービスのマーケティングを担当する。

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