今年のトレンドはタテ!ゲームも動画も画像も縦型にシフト

今年のトレンドはタテ!ゲームも動画も画像も縦型にシフト

2015年10月5日
TEXT:小川 浩(シリアルアントレプレナー)


C Channel

最近の若者、特に女子は、スマートフォンを横向きにして使うことは滅多にないという。女性からすると、横向きにして使うとゲームをしているかのようでクールでないらしい。また、PCやテレビゲームから派生したゲームは横向きにプレイさせることが多かったが、最近の人気ゲームはほぼ縦型であり、結果的に横向きにスマホをさせて使うというスタイルは、オールドファッションであると言える。

スマートフォン場で消費される最強のコンテンツは動画または画像だが、縦型で消費されることが多くなったがゆえに、動画や画像の表示(向き)もまた、縦に長い画面で見られることを前提に制作されるようになってきた。

海外においてはSnapchatやMeerkatのようなライブストリーミング配信サービスが縦型動画をサポートして大ブレイクをしている(ちなみにMeerkatとはミーアキャット。つまりスクッと立ち上がって縦に長いさまからのネーミングだ)。


Meerkat


Snapchat

日本国内でも、C Channelは可愛い女子の自撮りを中心とした縦型動画コンテンツの配信サービスだし、アダルト向けの動画にも縦型で撮影した作品が次々とリリースされているらしい。

人物であれば、当然立っていれば縦に長いので、縦長の動画や画像のほうが、より被写体を大きく見せることができるわけだ。となると、今まで横型の(そして横型であってもそれなりに十分な高さを持つ広さの)PCやテレビに合わせていた動画は、スマホでの、消費者のナチュラルな操作感を損なうので、コンテンツを作成する最初から、縦型で見られることを前提に撮影し編集しなければならなくなる。

ゲームも動画も同じで、縦型で消費されることを前提に、作り方自体が変わるということだ。

同じように画像においても、この変化は現れる。現時点では、若者に大人気のInstagramは画像をスクエア=正方形に収めている。横にしても縦にしても綺麗にみえる、モバイルに最適なフォーマットであるように思えたが、実際には横にしても縦にしても若干中途半端、になっているかもしれない。

最近ではレイアウト、という新アプリを追加し、2~3枚の画像をスクエアのフォーマットに組み合わせて納めるサービスを開始している。これにより縦に長い画像や横に長い画像などをうまく表示できるようになった。ただ、Instagramがスクエアしばりを撤回するという噂がでているのは、やはり縦に長い長方形であるスマホの画面いっぱいに見せる画像、つまり縦型の長方形(レクタングル)というフォーマットをサポートするためであるかもしれない。

このように、スマートフォンが主戦場となったコンテンツ消費のステージでは、最重要キーワードが「タテ」である。あなたのサイトは、コンテンツは、縦型に消費させることを前提に作ってあるだろうか??



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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろ●シリアルアントレプレナー。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。
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