金星の世界初の雲写真、準惑星ケレスにも雲、相次ぐ天体からの雲報告

金星の世界初の雲写真、準惑星ケレスにも雲、相次ぐ天体からの雲報告


中間赤外カメラ(LIR)での撮影

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9日、12月7日に姿勢制御エンジンを噴射していた金星探査機「あかつき」が、無事に金星周回軌道に乗ったと発表した。また、「あかつき」から送られてきた金星の画像も同時に公開している。

「あかつき」は2010年12月7日の金星周回軌道投入では、逆止弁の閉塞による主推進エンジンの破損という機械トラブルにより、十分な減速ができずに失敗していた。その後は太陽の周りを8周して再び金星に最接近、その間、数万もの軌道を検討・計算して、今回の再投入に備えていた。実は、あかつきは機体の設計寿命を過ぎており、予定外の太陽軌道による熱ダメージも懸念されており、まさに背水の陣の中での成功であった。

「あかつき」は姿勢制御用エンジン噴射後に早速金星を撮影。送られてきた画像の中でも、中間赤外カメラ(LIR)で撮られた画像は金星の“雲”の温度分布がわかるもの。その画像は、研究者をして全く想定もしていなかったもので、北半球から南半球までに渡る長大な弓なりの模様が映し出されていた。

今後は、複数の観測機器を用いて初期観測を行い、2016年4月頃からは定常観測に移行するとしている。





日本の宇宙科学者が「あかつき」の成功に沸いている頃、ドイツからも天体の“雲”に冠するニュースが飛び込んできた。マックスプランク研究所などのチームが10日に英科学誌ネイチャーに、準惑星「ケレス」に雲があるとの発表を行うとした。ケレスは火星と木星の間にあり、冥王星と同じ準惑星。かねてから太陽光による熱で、わずかな大気や雲の存在が指摘されていた。


無人探査機ドーン撮影

発表資料
URL:http://www.jaxa.jp/press/2015/12/20151209_akatsuki_j.html
2015/12/10

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