JAXAが「はやぶさ2」地球スイングバイの結果を発表、撮影写真を公開

JAXAが「はやぶさ2」地球スイングバイの結果を発表、撮影写真を公開


「はやぶさ2」がスイングバイ後に撮影した写真

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、小惑星探査機「はやぶさ2」の地球スイングバイ後の軌道の計測と計算を行い、同探査機が目標としていた軌道上を順調に航行していることを確認したと発表した。また、同探査機が地球スイングバイを終えたあとに撮影した地球の写真も公開した。

同探査機は12月3日の夕方から夜にかけて地球スイングバイを実施し、日本時間の19時08分に地球に最接近して、ハワイ諸島付近の太平洋上空約3090kmを通過した。地球スイングバイによって軌道を約80度曲げて、スピードは秒速約1.6km上がって秒速約31.9km(太陽に対する速度)となり、目標としていた数値を達成した。

NASA深宇宙ネットワーク局およびESA(欧州宇宙機関)深宇宙ネットワーク局の支援を受けた探査機運用によって、現在、同探査機の状態が正常であることを確認している。12月14日の0時時点は、地球から約415万km、太陽から約1億4千485万km、巡航速度は秒速約32.31km(太陽に対する速度)で、スイングバイ後、太陽の重力の影響でさらに加速している。

同探査機は地球スイングバイを終えたあとに、搭載している光学航法カメラ(ONC-T)で地球を撮影した。ONC-Tでは7つのフィルタを使ってカラー画像を取得することが可能で、このうち3色の画像を使って作成した地球の写真が公開された。写真にはオーストラリア大陸や南極大陸が写っている。南極には夏に日が当たらず、また、ひまわりなどの気象衛星では南極点付近を撮影することは難しいので、これは貴重な写真だという。


「はやぶさ2」の軌道概念図

発表資料
URL:http://www.jaxa.jp/press/2015/12/20151214_hayabusa2_j.html
2015/12/15

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