猫と仲良くなれるテクと合成特化アプリ「Photoshop Mix」の使い方

猫と仲良くなれるテクと合成特化アプリ「Photoshop Mix」の使い方



2016年2月24日
TEXT:編集部

現在、世間には、様々なカメラアプリや写真加工アプリが溢れている。写真撮影から加工・投稿・共有まで一手に引き受ける「Instagram」や日本最大のSNS・LINEと連携する「LINE camera」、美顔加工アプリの「BeautyPlus」など、バラエティ豊かなラインナップだ。今回紹介するのは、その中でも合成に特化したモバイルアプリ「Photoshop Mix」。そう、パソコンでの写真加工ではおなじみの「Photoshop」を手がける、アドビ社(Adobe)からリリースされた本格的な写真加工モバイルアプリだ。

本稿では、2月22日(にゃんにゃんにゃん)の「猫の日」にちなみ、アドビの主催で開催された講座を元に、猫と仲良くなる方法、猫を可愛く撮影する方法、そして、その猫写真をどうやって加工するかを、モバイルアプリ「Photoshop Mix」を使って紹介したい。




■猫写真家・石原さくら氏が教える猫と仲良くなり、可愛く撮影するポイント
猫雑誌での撮影や猫を対象にしたスマホ写真教室の講師、猫写真展への参加など、猫写真家として精力的に活動する石原さくら氏。デボンレックスとシンガプーラという、希少な猫のブリーダーという一面も持つ氏は、猫の気質や性質などを知り尽くしたプロフェッショナル。撮影や猫を世話する日々から学んだ、猫と仲良くなり、可愛く撮影する氏の秘伝テクニックを紹介しよう。


猫写真家・石原さくら氏(左上)

■猫は緊張させてはいけない、とにかくリラックスが大事
猫と仲良くなる五箇条は「大きな声を出さない」「すぐに近づかない」「急に触らない」「顔を覗き込まない」「とにかくリラックス」の5つ。まずは猫の第一印象を良くし、怖がらせること無く静かな声でジワジワと近づき、ゆっくりと触る。目と目があってしまうと猫は緊張するので、覗き込まないようにコミュニケーションをとる。もし、目が合ってしまったら、ゆっくりと瞬きを。猫同士の挨拶になり、安心してくれるそうだ。最終的には猫も人間もリラックスしている状態がベスト。そうすれば、表情豊かな猫写真が撮れるようになる。


緊張させてはいけない

■猫を惹きつける猫モテ&撮影テクニック
リラックス状態の猫にモテつつ、おもちゃで遊びつつ撮影するテクニック。まずは、片手におもちゃ、片手にスマホで撮影するスタイル。片手で撮影できるスマホならではの撮影法だ。この場合、スティックの先におもちゃがぶら下がっているタイプがグッド。頭上でプラプラするおもちゃを見上げる猫を上から撮れば、集中するキリリとした顔が撮れるし、躍動感に溢れるジャンプシーンも撮れる。また、この時、猫撮影の定番である「まねき猫のポーズ」が撮れることもある。

また、猫はかなりの新しい物好き。布やベッド、段ボールなど、新しいもので釣って気に入ってもらい、興味津々な猫の表情や新しいもので楽しそうに遊ぶ猫を撮影することができる。

それらが上手くいかないこともある。そんな時はよそ見で猫の関心を引っ張る。猫はこちらから絡むとつっけんどんだったりするので、あえて興味のない素振りをして猫とは違う所を見ていると、向こうから寄ってきてくれることがある。そうしたらこっちのもの、あくまで興味のないフリをしつつ、徐々にコミュニケーションをとろう。


まねき猫ポーズ


反応がない場合は、よそ見で関心をひこう

■撮影場所に応じたテクニック
「家」で飼っている猫を撮影する場合、カメラに慣れてもらうのが大前提。そこで、撮影に使うカメラやスマートフォンは、猫の生活空間に常時置いておくのが大事だ。普段見慣れたものならば撮影時に緊張せずに撮れる。また、撮影時はおもちゃやえさなどを与え、撮影タイム=楽しい!という意識をもってもらおう。

「猫カフェ」での撮影の場合は深追いしてはいけない。猫カフェでは多くのお客さんが猫とのふれあいや撮影を楽しみに来ているので、みんながみんな猫を追いかけると猫にとってストレスになり、良い表情は撮れない。猫カフェでは、おやつタイムだったり、おもちゃタイムなどの撮影タイムが設けられていることがある。その時、猫カフェの猫は撮影タイム=楽しい!という認識なので、思い切り撮影することができる。

「野外」にいる地域猫や野良猫の撮影の場合、アプローチ方法がキモになる。前述した猫を緊張させないテクニックでまずは5mぐらいまで近寄る。ここで逃げなければ、次の段階。猫モテテクニックにあった、猫には興味ないよという素振りなどを駆使して撮影しよう。


おもちゃタイムの猫

■猫を可愛く撮影するポイント
とにかく猫をリラックスさせること、それが表情豊かな撮影をするための大前提。それにプラスしていろいろなテクニックを加えていく。まずは「猫目線」。直立した人間の目線での撮影ではなく、地面に近い猫と同じ目線での撮影が良い。そのほうが猫の表情が映える。スマートフォンでの撮影の場合、縦で撮影するとレンズは上に来る、猫撮影の場合は、スマートフォンを逆にもち、レンズが下に来る状態で撮影するのもいい。

「アングル」も重要。真上から撮ると、上目遣いになり、人間で言うアイドル的な可愛さが得られる。また、寝ている猫もいい。寝顔も猫目線で撮ることで、猫を中心に据えた良い構図となる。下から猫の表情をねらうのも一つの手。斜め45度下から猫の顔を撮ると、口角があがって見えてまるで笑っているかのように可愛い表情になることがある。

「瞬間を狙う」のも撮影の大事なポイント。猫の表情は様々だが、その中から代表的な瞬間を3つ。まずは「ジャンプ」しているカット。これは躍動感があり、さらに真剣な顔が撮れる。おもちゃを追っているカットでも、棚から棚へと飛んでいるカットもいい。また、「目を見開いた」カットは、驚きの感情が強く出て良い。さらに「何かを咥えている」カットでは目を見開いたり獣感がでて、猫の野性味を切り取ることができる。


下から捉えた猫の表情

以上が、猫写真家・石原さくら氏が教えてくれた猫と仲良くなる方法、撮影テクニックの全てだ。これまで何気なく撮っていた猫写真も、ポイントを意識することでガラリと違う写真が撮れたりするので、家猫や猫カフェの猫、野良猫などを積極的に撮影して欲しい。



■アドビCreative Cloud エバンジェリスト仲尾毅氏が教える「Photoshop Mix」の使い方
たっぷりと猫の写真を撮影したら、合成特化モバイルアプリ「Photoshop Mix」の出番だ。ここでは、猫写真の切り抜きと背景との合成の方法を紹介する。(使用するのは筆者のiPhone)。

まずはアプリを起動して、ホーム画面に相当するマイプロジェクトを表示する。画像を選択するのは、右上にある+ボタン。タップすれば、自分のスマートフォンのカメラロールを選択できる「iPhoneから」、その場で撮影した写真を使える「カメラ」、アドビが提供する「Creative Cloud」などが表示される。

今回は、Creative Cloudライブラリで公開している石原さくら氏が撮影した画像を使用する。「Creative Cloud」の「ファイル」に保存した画像から、加工する画像を選択し、右下の「開く」をタップする。


画像選択画面


画像選択画面

すると編集画面になるので、下部のメニューから、「外観」、「ポートレート」の順に選択。ここで画像全体がモノクロになるので、ピンチイン/アウトで拡大縮小し、2本指スワイプでズラしながら、対象の内から外へなぞるように切り抜きたい部分をなぞっていく。この時、右中部のペンの選択が「スマート選択」になっていれば、アプリが切り抜き範囲を判断して自動で埋めてくれる。細かい所の作業は「基本選択」にしてなぞれば自分の思った所だけを選択できる。また、多少範囲がはみ出してもOK。最後に「追加」の「マイナス」を選択して、はみ出た部分を削れば大丈夫だ。作業を1つ前の工程にもどすのは、上部タブのリターンマークで実行できる。

切り抜き対象を選択し終えたら、下部のメニューから「階調反転」をセレクト。すると、切り抜きたい部分がカラー、その他がモノクロになり、わかりやすくなる。作業完了ならば✓を押す。これにより、猫だけがカラー、背景はモノクロという印象的な画像ができあがる。これだけでもインパクト十分なのだが、ここから、この画像をつかって猫だけを取りだした切り抜き画像を作成する。


指定作業中


カラー&モノクロ画像の完成

「切り抜き」は下部メニューから「カットアウト」を選択し、切り抜きたい部分を指でなぞって選択していく。さきほど切り抜き部分とそれ以外を色分けしているので、スムーズに指定ができるはずだ。指定が終わったら右下の✓を押せば完了する。他の画像との合成は、その画面から作業を続行できる。右中部の+をタップすると最初と同じ画像選択画面になるので、ここでは以前に撮影した金沢駅の鼓門をセレクトしてみた。

レイヤーの順を入れ替えたり、猫を「複製」したり「回転」させたりしながら、さらなる編集を楽しみつつ画像を完成させよう。できあがった画像の保存先は、上部タブから「Photoshop Mix」の「ライブラリ」やスマートフォンの「カメラロール」に保存したり、「Facebook」に直接アップして共有することもできる。


切り抜き範囲指定画面


鼓門の上に猫をのせてみた

いかがだったろうか。猫と仲良くなり、撮影して、画像を加工する一連の流れ。講座は吉祥寺の人気猫カフェ「てまりのおうち」で行われたのだが、教わった撮影テクニックや猫との仲良くなり方はその場で役に立つものばかりだった。

また、「Photoshop Mix」の使い心地はさすがの一言。特に、「スマート選択」の精度は高く、指先でストレス無く切り抜き作業ができるのは驚きだった。

猫&「Photoshop Mix」の組み合わせに限らず、様々な使い勝手が想定される無料の合成特化アプリ「Photoshop Mix」。2月22日〜3月6日には「Photoshop Mix」を使って加工した画像を、「#アドビにゃん」付きでTwitterにあげると、抽選で22名にオリジナルトートバッグをプレゼントするキャンペーンを展開するので、猫写真と合成の腕試しに、応募してみてはどうだろうか。



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