知らないと罰則もある!? 抑えておきたいマイナンバーの落とし穴

知らないと罰則もある!? 抑えておきたいマイナンバーの落とし穴

2016年3月10日 TEXT:編集部

2015年10月から全国への通知カードの配布が行われたマイナンバーカード。ついに2016年1月1日から全国で利用が開始された。日本ではまだ始まったばかりのマイナンバー制度だが、アメリカやオーストラリアなど海外では既に導入されている国もある。メリットもある反面、デメリットも懸念されているマイナンバー制度。開始にあたって、どのような点に注意すれば良いのだろうか。 ここでは、まず知っておきたいセキュリティや罰則などについて紹介しよう。




■マイナンバーについておさらい
最初に、マイナンバー制度のことについておさらいしてみよう。マイナンバー制度とは、国民ひとりひとりに固有の12桁の番号を割り当てることである。マイナンバーは、これまで別々に管理されていた社会保険や税金などの管理を統一して、利便性を図るために導入された。2016年1月1日に全国で利用が開始されたばかりの新しい制度である。

2015年10月からマイナンバー通知カードの配達が行われているので、既に手元に番号と保管しているという方も多いだろう。さらに、会社勤めの場合は既に会社に番号を提出しているという方も少なくないはずだ。

そして、このマイナンバーは日本だけでなく、アメリカや韓国、スウェーデンなど海外では既に実施されている。さらに実施されている国で見てみると、メリットもある反面、さまざまな問題も取り上げられている。例えば、通知カード配布直後から話題になっていた、マイナンバー詐欺と言えばピンとくるのではないだろうか。反対に、メリットについては、コンビニや銀行での利用など今後の導入の範囲拡大に期待が寄せられている。


■ 1.マイナンバーとWebセキュリティについて
マイナンバー制度の導入に伴い、問題視されているのがセキュリティの問題だ。国民ひとりひとりに個別の番号が割り当てられるということは、マイナンバーは立派な個人情報である。マイナンバー導入直後、店の抽選などに利用されすぐにセキュリティの問題から中止されるというニュースがあったが、個人情報という意識の低さが招いた惨事だったと言えるだろう。マイナンバーを扱う際は、外部には漏らしてはいけない重要な情報だということを常に意識して管理することが大切だ。

現在、さまざまな企業でマイナンバー導入による社員情報の管理の見直しなどが行われている。Web上で管理を行うことなどを想定すると、Web制作に携わるデザイナーにとっても、決して関りのないことだとは言えない。もしマイナンバーを扱うことがあれば、情報が漏えいしないように徹底した管理を行う必要がある。


■ 2.マイナンバーに関する罰則について
マイナンバーを扱う場合、細心の注意を払うことが大切だと説明したが、万一情報の漏えいなど、マイナンバーが正しく扱われていない場合はどのような罰則が設けられているのだろうか。特に注意したい罰則について下記に紹介する。

・正当な理由がなくマイナンバーなどの情報を提供した場合
 →4年以下の懲役、または200万円以下の罰金
・不正な利益を目的として、マイナンバーを提供または盗用した場合
 →3年以下の懲役、または150万円以下の罰金
・情報提供ネットワークシステムにおいて情報を漏えいもしくは盗用した場合
 →3年以下の懲役、または150万円以下の罰金

また、これに加えて情報管理を怠った場合も罰則を受ける可能性がある。マイナンバーにおける罰則はなかなか厳しい。しっかりとした対策が必要なのだ。


■ 3.個人番号カードを持つことのメリット
セキュリティ面で懸念されているマイナンバーカードだが、マイナンバーの個人カードを利用することによって、Web関連で働く人にもメリットがあることを知っておいてもらいたい。例えば、フリーランスで仕事を請け負っている場合、個人カードはe-taxでの利用も想定されているので、個人カードがあればネット上で簡単に確定申告ができるようになる。さらに、今後インターネットバンキングやコンビニでの公的証明書の申請も拡大の予定だ。利便性が高まることによって、市役所に行く手間も省け、手続で業務に支障をきたす恐れが少なくなることが予想される。


■ 4.Web業界と副業への懸念
Web業界で働く場合、アフィリエイトのほか、Web制作やデザインなどを個別に引き受けることも多い。こうした副業をする場合、年間20万円以下であれば確定申告の必要はなかったが、マイナンバーが導入されることで、税務署に副業の有無や副業で得た報酬が分かることになる。税務署に分かることで必ずしも会社に副業が分かるとは限らないが、マイナンバー制度はまだ導入されたばかり。まだどのように転ぶか分からない。副業をする際は注意しておきたいところである。


●まとめマイナンバー制度はまだ導入されたばかり。メリットが挙げられる中、セキュリティや副業問題などさまざまな懸念も挙げられている。今後2、3年はマイナンバーの話題は事欠かないだろう。Webデザイナーも今後の動向には注意しておきたいところだ。いずれにしても、Webに携わる者として今後マイナンバーを取り扱うことがあれば、セキュリティ対策は充分に行っておきたい。

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