魔王が人工知能に雪辱! 人類トップ棋士イ・セドルが3連敗からアルファ碁に勝利

魔王が人工知能に雪辱! 人類トップ棋士イ・セドルが3連敗からアルファ碁に勝利


イ・セドル(白)が優勢の盤面
Match 4 - Google DeepMind Challenge Match: Lee Sedol vs AlphaGoより

Google傘下の人工知能開発企業DeepMindが開発した囲碁ソフトAlphaGo(アルファ碁)と、世界最高レベル の韓国プロ棋士イ・セドルが対戦する「Google DeepMind Challenge Match」の第4戦が行われ、後手のイ・セドル(白)が先手のアルファ碁(黒)に勝利した。ここまで3連敗だったが、人類の底力を見せつけた格好だ。

AlphaGo(アルファ碁)は、コンピューターの頭脳にあたるCPUを1202個、GPUを176枚搭載し、1秒間に10万の検索も行える高性能囲碁ソフト。人間と人工頭脳の対戦成績が拮抗しているチェスや将棋と比べ、19路と広大であり、対戦中に複雑な思考である“読み”と“大局観”が必要な囲碁では、人工知能が人間に勝利するのはまだまだ先と見られていた。

それが、世界チャンピオンの座は渡したものの、かつて「囲碁界の魔王」と称され、未だトップ5に入る世界レベルのイ・セドルが3連敗したことで、優位を疑わなかった囲碁界、そしてDeepMindのアルファ碁の恐るべき成長を目の当たりにした技術者が、お通夜のようなムードにあると報じるメディアもあった。

そうして迎えた第4戦、序盤は白(イ・セドル)が弱気で良くない手が多い、という解説陣の見立てであったが、過去3戦で人工知能が不得手とする手筋を把握したのか、白が徐々に流れをものにする。ニコニコ生放送では、黒(アルファ碁)の劣勢を解説する場面で、どれだけ悪かったらコンピューター自らが負けを認める“投了”を行うのかという話題にもなり、人間サイドがホッとしている雰囲気が伝わってきた。また、途中、盤面劣勢となったアルファ碁が、苦しむかのように持ち時間を消費し始めた時は、人間味を感じさえした。


ニコニコ生放送での形勢判断

また、アルファ碁の開発者デミス・ハサビス(Demis Hassabis)は対戦中にリアルタイムでツイートを投稿。アルファ碁は79手目で間違え、87手目でその間違えに気が付いたと発表した。さらに、79手目の直前まではアルファ碁の中で計算されていた勝率は70%であり、79手目が完全に失着であったことを認めている。


デミス・ハサビス(Demis Hassabis)氏のツイート

最終局面前の形勢判断では、白は左下辺と右辺に大きな陣地を築き、黒は細かい地であるという解説陣の説明。イ・セドルが優勢なまま進めると、アルファ碁は無茶な手や損になる手を次々と繰り出し、やがてコンピューターが自ら負けを認める“投了”となった。

もしかすると消化試合になるのではという戦前の雰囲気とは異なり、恐ろしく強い人工知能に対し、人類が見事に勝利するという形になった第4戦。最終戦の第5戦は1日あけた3月15日(火)13時からスタート。人工知能についてイ・セドルがさらなる研究を重ね、“魔王”とまで呼ばれた強さを発揮するのか、注目が集まる。

囲碁プレミアム
URL:http://www.igoshogi.net/igopremium/live/event.html

YouTubeの生中継URL(第5戦3月14日)
URL:https://www.youtube.com/watch?v=mzpW10DPHeQ

ニコニコ動画
URL: http://blog.nicovideo.jp/niconews/ni059650.html
2016/03/13

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