綴プロジェクトが手掛けてきた天球院「方丈障壁画」高精細複製品の制作が5年の歳月をかけて完結

綴プロジェクトが手掛けてきた天球院「方丈障壁画」高精細複製品の制作が5年の歳月をかけて完結


「梅の間」の様子

特定営利活動法人 京都文化協会とキヤノン株式会社が共同で取り組んでいる「綴プロジェクト」(正式名称:文化財未来継承プロジェクト)は、臨済宗妙心寺派 天球院(京都府京都市右京区花園妙心寺町46)に、狩野山楽・山雪筆「梅花遊禽図襖」など22面の高精細複製品を寄贈したことを発表した。同プロジェクトでは、2012年から天球院「方丈障壁画」のうち金碧画56面の複製品を制作してきたが、今回の寄贈をもって5年にわたる取り組みが完成することとなる。

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「綴プロジェクト」は、オリジナル文化財の保存と高精細複製品の活用を目的とした社会貢献活動だ。国の重要文化財に指定されている「方丈障壁画」は、歴史的 / 文化的な価値と経年劣化や災害などでの損失の可能性を考慮し、複製品への置き換えが進められてきた。2013年に「竹に虎図襖」4面と「籬に草花図襖のうち朝顔図襖」4面の寄贈が行われ、昨年までに34面を制作。今回の22面の寄贈をもって、「朝顔の間」「虎の間」「梅の間」を飾る56面が複製品に置き換わり、オリジナルの文化材は京都国立博物館に寄託されて、良好な環境下で保管される。

複製品の制作は、キヤノン株式会社のプリンタ「imagePROGRAF」での出力のほか入力 / 画像処理などに関するデジタル技術と、京都伝統工芸の匠の技との融合で実現された。これまでに「綴プロジェクト」では、今回の作品を含めて全34作品を制作している。天球院は通常は非公開であるが、今回の複製品への置き換えを記念して「方丈障壁画」の特別公開も実施。公開期間は2016年4月26日(火)〜5月10日(火)、時間は10:00〜15:30(15:00受付終了)で、通常は立ち入ることができない3つの部屋の一部まで入室し、金箔などの装飾も忠実に再現された作品を間近で鑑賞できる。

綴プロジェクト(文化財未来継承プロジェクト)
URL:http://canon.jp/tsuzuri
URL:http://kyo-bunka.or.jp
2016/04/15

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