社会と関わる実践としてのアートが特集された「美術手帖2016年6月号」

社会と関わる実践としてのアートが特集された「美術手帖2016年6月号」

株式会社美術出版社は、月刊の美術雑誌「美術手帖」の2016年6月号を5月17日に発売した。今月号のテーマは「コンテンポラリー・アート・プラクティス」で、社会と関わる実践としてのアートを特集。紛争 / テロ / 難民問題 / 環境汚染 / 経済状況の不透明さなど、各地で起きている諸問題に対してアーティストがどのような実践を行っているかに、インタビューや実例を通して迫っている。A5判変型で230ページ。

本書では、艾未未(アイ・ウェイウェイ)氏 / ヴォルフガング・ティルマンス氏 / ヒト・シュタイエル氏へのインタビューが掲載された。艾未未氏は、難民の多くが到着するギリシャ・レスボス島にスタジオを設け、難民問題をテーマにしたドキュメンタリーを制作中のアーティストだ。ヴォルフガング・ティルマンス氏は、6月23日に行われる「EU離脱の是非を問う国民投票」を前にして離脱反対を表明し、フリーダウンロードできるポスタープロジェクトを始動。ヒト・シュタイエル氏は、アート界の構造の問題提起、労働環境やそれが引き起こす搾取に踏み込んだ分析を展開しており、巻頭インタビューでは各人の思いが語られている。

さらに本書には、各都市での社会問題に対するアートの具体的な実践例を分かりやすく解説した「倫理の感性論に向かって」や、アートの真の政治性を問うテキスト「アートの政治学:コンテンポラリー・アートとポスト民主主義への変遷」の日本語訳も収録。世界で起きている問題と対峙するアート・プラクティスの最新動向を追い、アーティストの目を通して自分たちがどのような時代に生きているのかを知ることができる。


誌面サンプル


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出版社:株式会社美術出版社
著者:『美術手帖』編集部
価格:1600円(税抜)
URL:http://www.bijutsu.press/
Amazon:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01E5MJCP2/mdndi-22/
2016/05/18
2016-05-17
release


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