職場のSNS、若手はコミュニケーションは取るが、繋がりには消極的

職場のSNS、若手はコミュニケーションは取るが、繋がりには消極的

オウチーノ総研は25日、若い世代を対象に実施した、SNSで職場の人と繋がることについてのアンケート調査の結果を発表。78%以上の人がSNSで職場の人と繋がる一方で、63.6%の人が「上司とSNSで繋がりたくない」と回答した。この調査結果から、若い世代のユーザー層は仕事におけるコミュニケーション手段として積極的に利用しつつも、プライベートでの交流に積極的ではない傾向が明らかになった。

「連絡手段」としては積極的に使われている?

同調査は、首都圏在住で就労中の20歳~39歳860名を対象に、5月13日~16日に実施。職場の人と繋がっているSNSでもっとも多かったのはLINEの61.3%で、続いてFacebook(37.6%)、Twitter(20.5%)…となっている。

リアルタイムにコミュニケーションができるLINEは、業務においても便利なことから、連絡手段として使われるケースが多いとみられる。実際に、LINEのグループ機能で勤怠などの連絡をしたり、チーム内の情報共有に利用する例もある。

その一方で、個人のプロフィールやプライベートをある程度オープンにして利用するケースの多いFacebookは、少数ではないもののLINEほど積極的に使われてはいないことがわかる。匿名性の高いTwitterは、相手が同期あっても、繋がっているのは1割にとどまっている。

若い世代の6割以上が「上司とは繋がりたくない」

続いて、「職場の人とSNSで繋がることについて、どう思いますか?」という質問には、「社長や役員」と繋がりたくないと回答した人が73.4%、「上司」は63.6%。繋がる相手が「同期」だったとしても、「自らすすんで繋がりたいと思う」という人が20.1%、「繋がるのは嫌でなない」が45.4%、「できれば繋がりたくない」が19.8%と、SNSで職場関係の人とつながることについて積極的でない傾向がみられた。

このことから、若い世代の就労者は、仕事上何らかの必要性から、連絡やコミュニケーションの手段としてはSNSを利用しているが、SNSで人間関係のつながりを深めていくという点については、消極的であるととらえられる。

一部にはSNS で嫌な思いをする人も

最後に、職場で「ソーシャルメディア・ハラスメント」的行為を受けたかどうかについても質問に対しては、17.6%の人が「フォローや友だち申請などを強要された」、「SNSの投稿内容のことを職場などで話題にされた」、「自分の投稿を逐一チェックされ、そのたびに『イイね!』やコメントなどの反応をされた」といった行為を受けた経験があることが分かった。

全体から見れば、こうした行為をされた経験をした人の比率は大きくないが、そうした行為に対する感想として、「自分の人間関係を探られているようで嫌だった」(29歳/男性)、「上司でなければ関係を切っていた」(23歳/男性)、「面倒に感じた」(24歳/女性)など、嫌悪的に受け止めている声は、好意的な声の倍以上あったという。

世代別のSNSリテラシーにも目を向けたい

世間一般にSNSの利用者が増えるなか、組織のなかでどのようにSNS利用の線引きをしていくかという悩みを抱えているところは多いはずだ。今回の調査で若い世代の一定の傾向をつかむことができたが、デジタルに親和性の高い若い世代は、SNSの利点やリスク、マナーなどもある程度把握して利用していることが考えられる。

もし、上司や役員などの役職が比較的多い、上の世代の調査も実施され、あわせてそれぞれの世代のSNSリテラシーも明らかにできれば、組織運営においてもより参考になるに違いない。

オウチーノdeヨムーノ
URL:http://www.o-uccino.jp/article/archive/trend/20160524-souken/
2016/05/25

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