アップルの思想と隠れた思惑が見え隠れする macOS名称変遷の歴史(後編)
アップルの思想と隠れた思惑が見え隠れする macOS名称変遷の歴史(後編)
2016年7月1日
TEXT:大谷和利(テクノロジーライター、原宿AssistOnアドバイザー)
TEXT:大谷和利(テクノロジーライター、原宿AssistOnアドバイザー)
"Mac OS"だった過去を持つ"macOS"。アップルの思想と思惑が込められたその名称の変遷を振り返る本稿の後編は、誰もが驚いたMac OS X v10.0の登場から始まる。
『アップルの思想と隠れた思惑が見え隠れする
macOS名称変遷の歴史(前編)』はこちら
『アップルの思想と隠れた思惑が見え隠れする
macOS名称変遷の歴史(前編)』はこちら
・OS統一の意図は存在した?
名称変更の好きなアップルは、2012年にリリースしたMountain LionでMac OS XからMacを割愛し、OS Xをデスクトップ/ノートMac用OSの正式な新名称とした。
現実には、1つ前のMac OS X Lionの時点でマーケティング面では、すでにOS Xと呼ぶようになっていたのだが、筆者は、この時点ではアップルは、やはり将来的に自社OSを統一する計画を持っていたのではないかと推測する。
Mac OS X Lionは、Mac App StoreやフルスクリーンモードなどのiOS由来の機能が取り込まれ始めたMac OS Xであり、Mountain Lionでは、その傾向がさらに強まった。もちろん、OSを統一したとしても、フルサイズのOS XをiPhoneやiPad上で動かすことは合理的ではない。そのため、サブセット的なものを用意することになったと思われるが、いずれにしても伝統あるMacの冠を外すにあたっては、それなりの要因と動機があったと考えるべきだ。
名称変更の好きなアップルは、2012年にリリースしたMountain LionでMac OS XからMacを割愛し、OS Xをデスクトップ/ノートMac用OSの正式な新名称とした。
現実には、1つ前のMac OS X Lionの時点でマーケティング面では、すでにOS Xと呼ぶようになっていたのだが、筆者は、この時点ではアップルは、やはり将来的に自社OSを統一する計画を持っていたのではないかと推測する。
Mac OS X Lionは、Mac App StoreやフルスクリーンモードなどのiOS由来の機能が取り込まれ始めたMac OS Xであり、Mountain Lionでは、その傾向がさらに強まった。もちろん、OSを統一したとしても、フルサイズのOS XをiPhoneやiPad上で動かすことは合理的ではない。そのため、サブセット的なものを用意することになったと思われるが、いずれにしても伝統あるMacの冠を外すにあたっては、それなりの要因と動機があったと考えるべきだ。
ちなみに、Mac OS X Lionが発表された2010年にはジョブズも存命中だったので、マーケティング的にOS Xと呼ぶことにした判断にも彼の意思が反映されていたはずである。シンプルさを好んだジョブズの指向性からしても、複数のOSが並列的に存在する状況を排除することは理にかなっていた。
そこでクック体制となった翌年に登場したMountain Lionで、ジョブズの遺志を反映する形でOS Xという名の正式採用に踏み切ったというシナリオは不自然ではない。
奇しくも、アップルのソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長でMacとiOSデバイスの両OSを統括するクレイグ・フェデリギが、Mac OS Xの責任者となったのがMac OS X Lionからであり、同じく現職に就いたのがOS X Mountain Lionのリリースと同じ2012年のこと。NeXT時代からジョブズの下で働いてきたフェデリギに任されたのが、両OSの融合だったとしても話は通る。
そして、一度はその方向に向かったものの、開発を進めるうちに、クックもフェデリギもジョブズの理想主義には無理があるという結論に達し、コアは共通化しながらも、デバイスもOSも独自の進化をさせたほうが現実的であると軌道修正をしたのではないだろうか。
そこでクック体制となった翌年に登場したMountain Lionで、ジョブズの遺志を反映する形でOS Xという名の正式採用に踏み切ったというシナリオは不自然ではない。
奇しくも、アップルのソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長でMacとiOSデバイスの両OSを統括するクレイグ・フェデリギが、Mac OS Xの責任者となったのがMac OS X Lionからであり、同じく現職に就いたのがOS X Mountain Lionのリリースと同じ2012年のこと。NeXT時代からジョブズの下で働いてきたフェデリギに任されたのが、両OSの融合だったとしても話は通る。
そして、一度はその方向に向かったものの、開発を進めるうちに、クックもフェデリギもジョブズの理想主義には無理があるという結論に達し、コアは共通化しながらも、デバイスもOSも独自の進化をさせたほうが現実的であると軌道修正をしたのではないだろうか。