人類滅亡までのタイムリミットは2分半、「世界終末時計」が過去2番目の危険水準に

「世界終末時計」イメージ

原子力科学者らによる科学誌Bulletin of the Atomic Scientists」は、人類の滅亡までのタイムリミットを示す「世界終末時計」を更新し、終末の時まで2分半とした。

 

1947年に公開された「世界終末時計」は、真夜中の0時を核のボタンが押されて人類が終わりを迎える時と設定し、残り7分という表現で、世界に核の脅威が迫ることを人類と政治指導者たちに警告した。

 

その後、核の危険性、戦争の可能性の高まりとともに時計は更新され、冷戦中の1953年にアメリカが水素爆弾の実験を行った際は、最も危険度の高い残り2分と設定された。

 

その後も世界情勢によって時計は更新され、1991年に第一次戦略兵器削減条約が結ばれると、時計は大きく針を戻し、人類には17分の猶予が与えられた。

 

しかし、2015年・2016年に更新された時計では、地球の気候変動による自然災害の増加や世界的な核兵器の近代化により、終末時計は残り3分と危機的な水準に達していた。

 

そして今回、時計の針が危機的な時刻へ30秒の時を進めたのは、地球規模の災害リスクの高まりや核の脅威の増大からだと説明されている。2016年には北朝鮮は核実験を行い、核保有国のインドとパキスタンは対立を深め、ドナルド・トランプ大統領は核軍拡や核使用を排除しないとの考え方を明らかにしている。

 

以上のことから、人類は冷戦時と同じレベルの危機的な状況にあるとし、人類は直ちに危機を回避すべく行動するべきだと主張している。

発表資料

URL:http://thebulletin.org/clock/2017

2017/01/27

 

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