リキテックスがアクリル絵具「カドミウムフリーシリーズ」を開発して今冬に発売予定

カドミウムフリー色 7色

バニーコルアート株式会社は、「リキテックス」ブランドから、アクリル絵具「カドミウムフリーシリーズ」を2017年冬に発売予定であることを発表した。健康や安全に配慮し、カドミウム顔料を取り除きつつも、カドミウムと同等の性能を持つアクリル絵具として開発された製品。容量は20ml、全7色のラインナップで、430〜600円(税抜)の価格にて全国の画材店 / 文具店 / ホームセンターなどで販売される。
1955年にアメリカで誕生した「リキテックス」は、1960年代のポップアートにも大きく影響を与え、デイヴィッド・ホックニーやアンディ・ウォーホル、ジョン・ホイランドなど数多くのアーティストが愛用した。日本では1968年から販売が始まり、アーティストに広く知られて親しまれている。
カドミウムの単一顔料から作られている絵具は、非常に鮮やかな発色を持ち、不透明度が高く耐光性にも優れる一方で、環境や健康面への配慮から規制されている国もある。とはいえ、これまでは「代替となる色がない」と支持される存在でもあった。今回開発された「カドミウムフリーシリーズ」は、最高品質のアーティストグレードの顔料のみを含む配合で、カドミウム色と同等の性能を実現。これまで安全性への配慮などからカドミウム顔料を避けてきたアーティストにも、新たな選択肢が提供されることとなる。
開発にあたり、既にラボでの3年の月日をかけた耐光性(退色)などのテストで性能の高さが実証されており、エンドユーザーであるアーティスト(アメリカで活動する41名)へのブラインドテストでも、ほとんどのアーティストがカドミウム色とカドミウムフリー色の違いを見付けることはできなかった。カドミウムフリー色には、画材業界の国際協会であるACMIIの認証により、安全性を示すAPマーク(医療機関が毒物学的評価において、幼児を含む人体に有毒・有害ではなく、急性・慢性の疾患を引き起こす量の物質を含まないことを証明)が付いている。

「カドミウムフリーシリーズ」製品画像(海外製)

バニーコルアート株式会社
URL:http://liquitex.jp/
2017/03/06
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