中世の怪異譚を美しい日本画で再現した「中世ふしぎ絵巻」

株式会社ウェッジは、中世日本の様々な怪異を美しい日本画で再現した「中世ふしぎ絵巻」を6月17日に発売した。B5判変形上製/128P/3,200円(税抜)。
中世日本の人々は「生」と「死」の距離が今よりもずっと近かった。そんな時代を生きていると、人は自然と「怪しいもの」「妖しいこと」を信じるようになる。本書は、当時の人々が残した「日記」をもとに、彼らが見ていたもの、聞いていたもの、信じていたものを再現した絵巻物だ。

収録されているのは、読者を中世の不思議世界へと誘う27の物語。歴史文化学の第一人者西山克教授が、中世の怪異を時代背景とともに解説、日本画家の北村さゆり氏が、多種多様な妖怪たちが飛び回る様子を美しく妖艶なタッチで描きます。

おいおい ここは天下の室町御所
 あたらしい将軍さまもおすまいになるぞ
   あたしゃばけもの そんなの関係ない

おいせさまの御師さまだ?
 うんにゃ おまえはスパイだろ
  ぶれいもの 灰のたたりをうけろ!

また、他には類を見ないユニークで美しい造本にも一見の価値がある。一般的な本より少し縦長かな?と感じる表紙を開くと、一転して、横長の絵巻中扉が現れる。本を90度回転させてさらに開くと、横に長い絵巻物が楽しめるというわけだ。縦長の現代的な書籍から、中世の絵巻物へと「不思議世界」へ潜っていく感覚が楽しめる作りになっている。

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■変更履歴
記事掲載当初、本文中に誤解を招く表現があったため、記事内容を修正いたしました。本文は修正済みです [2017/06/19 18:00]
株式会社ウェッジ
価格:3,200円(税抜)
西山 克 文 北村さゆり 画
URL:http://wedge.ismedia.jp/
Amazon:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4863101821/
2017/06/19
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