晩年の代表作120点を収録した「広重TOKYO 名所江戸百景」

株式会社講談社は、歌川広重の代表作「名所江戸百景」とともに江戸の名所を解説した「広重TOKYO 名所江戸百景」を5月31日に発売した。A5判/264P/2,500円(税抜)。
本書は、歌川広重最晩年の代表作「名所江戸百景」から、「大はしあたけの夕立」「両国花火」などの有名作品を含む計120点をまとめた日本画集だ。掲載しているのはすべて貴重な初摺で、保存状態の優れた名品ばかり。退色しやすい紫や藍もきれいに残っており、当時と寸分変わらない鮮やかな浮世絵が楽しめる。

江戸城や火の見櫓といった江戸の風景に加え、遠くに小さく描かれた景色にも詳しい解説が加えられているので、作品を隅々まで鑑賞し理解することができる。さらに、すべての作品に現代版地図と写真がついており、実際に現地を訪れることができるようになっている。住宅街が現れ、高速道路やスカイツリーの登場ですっかり現代的になった東京だが、本書を片手に名所を訪れれば、風景のあちこちに「広重が見た景色」が残っていることに気が付くだろう。

効率よく名所をまわれるように、地域ごとに分かれた編集がなされており、神社や石碑など、近くに残る旧跡も紹介しているので、ガイドブックとしても楽しめる一冊となっている。

駿河町

水道橋駿河台

出版社:株式会社講談社
価格:2,500円(税抜)
小池満紀子 池田芙美 著
URL:http://www.kodansha.co.jp/
Amazon:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062205076/
2017/06/15
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