ジョエル・マイクロウィッツ氏の写真・ビデオ作品を展示

ジョエル・マイクロウィッツ写真展「The Elements: Air/Water; Part1」
写真家ジョエル・マイクロウィッツ氏の個展が、東京・神宮前のギャラリーホワイトルームトウキョウで開催中だ。

マイクロウィッツ氏は自身最初の写真集でカラー写真の古典ともいわれる『Cape Light』や、近作では9.11以後のワールド・トレード・センターの記録写真作品『Aftermath』で知られる世界的な写真家。


来日したジョエル・マイクロウィッツ氏

今回の展示されるのは、写真展のタイトルともなっている「The Elements: Air/Water; Part1」と名付けられた写真とビデオ作品。これらは、2007年7月マイクロウィッツ氏がフロリダにあるプールの水中見学室で、オリンピック選手たちの飛び込みの様子にインスピレーションを得て撮り始められた作品群である。

選手たちの飛び込みによって水中に気泡が発生し、その気泡が集合体となって水面へ浮き上がったのち、やがては大気に戻る。このひとつの要素(空気:Air)と別の要素(水:Water)が交じり合い変化していく事象を観察したことをきっかけに、彼は自然界を構成する四大元素、空気(Air)・水(Water)・土(Earth)・火(Fire)のそれぞれの性質と、それらの物質的な関係性について考えるようになったという。




展示されているのは空気(Air)と水(Water)を映した写真とビデオ作品

3月7日(金)、同展のオープニングを記念したレセプションパーティーが開かれ、来日したマイクロウィッツ氏も姿を見せた。


記者の質問にも真摯に受け応えしていた

「The Elements」を構成する一連の写真・ビデオ作品は彼のそれまでの作品同様、場所・光・空間を描写したものである。だが、「The Elements」で表現されているAir・Water・Earth・Fireを撮るにあたって、彼はこれまでの技法が適切ではないと感じ、これまで自身が確立してきたカラー作品の概念から新たなステージへのチャレンジとなるものであると語った。

また、同展で展示されている作品のファインアート・プリントは、多くがヒューレット・パッカード社の大判プリンタ「HP Designjet Z3100」を使用して出力されたものでもある。

翌3月8日(土)には、同展の開催にちなみマイクロウィッツ氏が写真の画像ファイルから、大判プリンタを使って作品を出力し、ファインアート・プリントに至る制作過程をデモンストレーションするワークショップも開かれ、プロフェッショナル・フォトグラファーを中心に多くの聴講者が参加した。


ワークショップは写真展が開催されているギャラリーホワイトルームトウキョウの階下にあるギャラリースペースEye of Gyreで行われた

自身の作品を例に、出力環境による色再現性の違いについて語るマイクロウィッツ氏



ワークショップは、氏のこれまでの作品を例にとりながら行われた。9.11で倒壊したワールド・トレード・センターを撮影していた際の体験など、作品にまつわる貴重なエピソードなども紹介された

マイクロウィッツ氏は四大元素の現象を考察し表現する上で「現象そのものパワーを視覚的体験として再現することが課題」と述べている。今回展示されているAir/Waterの新作以降も、すでにFire/Earth、Earth/Waterの映像作品を撮り終え、今後はAir/Earth、Water/Fire、Fire/Airの関連性について作品制作を続ける予定だ。同展は6月8日(日)まで開催される。


ワークショップ会場には大判出力された氏の作品とともに、出力に使用されたHP Designjet Z3100の展示も

ワークショップのあとには、写真集の購入者を対象にマイクロウィッツ氏のサイン会も行われた


The Elements: Air/Water; Part1
問い合わせ:
ギャラリーホワイトルームトウキョウ 03-5774-1911
http://www.g-whiteroom.com/
http://www.joelmeyerowitz.com/
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