和紙問屋の小野商店が手漉きの襖紙を現代的なデザインでアレンジした商品を新開発

手漉きによる襖紙の表現

2018年10月に創業70年の節目を迎える和紙商小野商店は、手漉きの襖紙に現代的なデザインのアレンジを加えた新商品を開発。主に企業向けの商業空間を彩る和紙素材として、インテリア関連の展示会出展による海外展開に挑戦することを発表した。新商品は基本サイズは1000×2000mm。最大で2000×3000mmまで一枚物での作成が可能で、変形サイズや1枚からの別注にも対応する。1枚あたりの価格は5万円(税抜)から。
小野商店による今回の新商品は、通常の襖紙の用途ではなく、企業の商業空間を彩るインテリアでの用途を想定している。原料は三椏、楮、麻などの原料をブレンド。襖紙の紙漉き職人の手漉きによる福井県越前産の受注生産品だ。原料の素材感、光の透け感や陰影、色彩や模様など、手漉き和紙特有の表現技法に現代的なデザインを組み合わせてアレンジしていることが大きな特徴。今後は、カナダやオーストラリアやアメリカで開催される商業空間のデザイン・インテリア関連の展示会に出展して海外展開を図る。
この商品開発と海外展開は、襖紙の現場のさまざまな表現技法を組み合わせてアレンジした新商品を生み出し、用途転換することで、手仕事の良さを発信して認知度向上につなげる取り組み。なお、この取り組みや創業70年を迎えることに関連して、同社の担当者は「日本で長い年月、紙漉き技術や表現技法が継承されてきた襖紙と同様に、次は創業100年に向けて、ノウハウを次世代に引き継ぎたい」と捉えている。

手漉きによる襖紙の表現

手漉き襖紙の表現技法を生かしたタペストリー型の空間演出素材

福井県にある越前和紙の紙漉き職人

和紙商小野商店
URL:http://www.onopapers.com/
2017/12/27
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