近年の“キャラクター生成”と“嫌悪感”を描く田中かえ氏の初個展「かえちゃんのチョコレートボックス」

田中かえ個展「かえちゃんのチョコレートボックス」

2018年3月3日(土)から3月18日(日)まで、TAV GALLERYにて、田中かえ氏による初の本格的な個展「かえちゃんのチョコレートボックス」が開催される。新作や過去作品を含めて約50点を出品。キャンバスを用いた幽霊画を中心に、画家あけたらしろめ氏とのコラボワークによる和紙を用いた5mの百鬼夜行などが紹介される。休廊日は水曜と木曜で、時間は13:00〜20:00。
1995年生まれで多摩美術大学卒の田中かえ氏は、幼少期に読んだ手塚治虫氏の作品の影響からアーティスト活動を開始した。2010年代前半のインターネット・カルチャーを跨いだデジタルネイディブ世代のアーティストの1人。SNSを通して数多くの反響を呼んできた。田中氏が生み出すキャラクターの表情は無機質にパターン化されていることが大きな特徴だが、これはインターネット以降のコンテンツが作り出す“物語”からは、対人関係から作られる“物語”が排除されることを象徴している。
キャラクターを主体とする同氏の作品の幅は広く、さまざまなコンテクストが登場。“目や顔が歪んだキャラクターシリーズ”は、実際に嫌悪感や恐怖感を得た対象である当事者たちの顔をシリコンで立体にし、鉄球などの重りで“制裁”を下した後にランダムに伸ばした表情をモチーフとしている。また、“妖怪たちがキャラクターを囲うシリーズ”は、ペットの死から着想を得たもの。従来の妖怪とは反転し、“モノノ怪”に反した“ヒトノ怪”として、キャラクターの側に寄り添っては無機質な表情で慰労してゆく様が表現されている。

田中かえ氏の作品

■期間:
2018年3月3日(土)~3月18日(日)

■開催場所:
TAV GALLERY
東京都杉並区阿佐谷北1-31-2

■問い合わせ先:
TAV GALLERY
tel. 03-3330-6881
url. http://tavgallery.com/
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