2018年、新規3億台がノッチディスプレイになる見通し。ディスプレイメーカーの負担となる可能性も…

テクノロジー・メディア・通信業界に特化した国際的調査会社、カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチが、6月28日、最新の市場展望調査を発表。2018年に、スマホ販売総数の19%ほどを占める約3億台がノッチディスプレイ搭載スマートフォンになるとの見通しを明らかにした。
昨年、Appleが「iPhoneX」に採用したことで、ノッチディスプレイのデザインは世界的なトレンドとなりつつある。Apple「iPhoneX」の場合は、Face IDを管理するセンサー配列の都合上、自然とノッチデザインを採用するに至ったわけだが、他メーカーがノッチデザインを採用する理由は様々だ。

ノッチデザイン採用の理由の最たるものは、やはり“ディスプレイ占有スペースを最大化する”目的であろう。ディスプレイスペースの拡大はスマートフォンメーカーの間でも競争が続いており、過去二年間において、16:9 、ベゼルレス、カーブ、ノッチといった多様な方式でのアプローチが行なわれてきている。

次に、鍵となるコンポーネントをスクリーンに搭載する技術が未だなく、その結果ノッチデザインを採用したというもの。さらに、技術的な理由ではなく「トレンド」という観点から、Appleのデザインに追従したケースなどが見られる。

ノッチデザインを採用したスマートフォンのグローバル市場の推移予測

LGやGoogleがノッチデザインを搭載した製品を発売し、Asusの「Zenfone 5」、Huaweiの「P20」「P20 Pro」、Oppoの「F7」、Vipoの「V9」など多くの中国メーカーがフラッグシップモデルにノッチデザインを導入する様相を見せている以上、今後も各国の中小メーカー各社が多様なノッチデザインの製品を発売するものと見て間違いないであろう。

そんな中、カウンターポイント社のリサーチ・ディレクター、カン・ギョンス氏は「ディスプレイの下にカメラモジュールを含む全てのセンサーを搭載する技術が開発され、完全なベゼルレスデザインが完成するまで、都度、最適化されたディスプレイを開発しなければならない、製造業の悩みは継続されるものと見られる」とコメント。ディスプレイメーカーへの負担について言及している。

「トレンドデザイン」を理由にノッチディスプレイを採用したメーカーの中には、低価格帯の購買層に焦点を当てた150米ドル価格帯の商品が多く、大手中国メーカー各社も、消費者の動きと、競合の状況によっては、フラッグシップモデル以外の200米ドル台の製品にノッチデザインを採用していくと思われる。

2018年に発売される見込みのノッチデザインスマホ3億台の内訳は、Appleが45%、Android搭載スマートフォンが55%。中国主要メーカー4社(Huawei、Oppo、Vivo、Xiaomi)だけで、約1億台に上ると見られている。ディスプレイメーカーにとっては、生産性の低い「ノッチディスプレイ」による費用増加が、負担として働く可能性は十分に考えられるのではないだろうか。
Counterpoint Technology Market Research Limited
URL:https://www.counterpointresearch.com/
2018/06/28
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