凸版印刷がデジタル技術を用いて「大坂冬の陣図屏風」を彩色復元する取り組みに着手

「大坂冬の陣図屏風」に描かれた色指示

彩色復元した例

凸版印刷株式会社は、東京国立博物館所蔵の「大坂冬の陣図屏風」を、デジタルとアナログの技術の融合で復元するプロジェクトを推進している。そのプロジェクトで、2018年7月から、彩色復元の取り組みが開始された。「大坂冬の陣図屏風」は、デジタルで彩色して金箔や金銀泥を施した復元屏風として、2018年度中の完成が目指されている。
「大坂冬の陣図屏風」には、1614年に徳川幕府と豊臣家との間で行われた合戦の大坂冬の陣が描かれている。これを屏風として復元するプロジェクトは、城郭考古学の観点から奈良大学文学部 千田嘉博教授、美術史学の観点から徳川美術館、絵画技法の観点から東京藝術大学の監修を得て推進されている。
「大坂冬の陣図屏風」は模本と考えられており、色指示が細かく記載されていることで原本の姿の推定が可能。制作に用いられた絵具や表現を色指示から読み解いて彩色復元する。
なお、本プロジェクトに沿って、7月21日(土)から9月2日(日)まで、公益財団法人徳川黎明会 徳川美術館・名古屋市蓬左文庫で開催される企画展「英雄たちの戦国合戦」にて、「大坂冬の陣図屏風」と彩色復元過程を紹介する映像作品の上映を予定。8月11日(土・祝)にも、同美術館で開催される記念シンポジウム「大坂冬の陣図屏風を読む」で、本プロジェクトの取り組みが紹介される(要事前申込)。
凸版印刷株式会社
URL:https://www.toppan.co.jp/
2018/07/10
MdN DIのトップぺージ