アドビ、Creative Cloudに600種以上のMonotypeフォントを追加

アドビは、8月9日、Creative Cloudユーザーを対象に、600種以上の Monotype フォントをあらたに提供すると発表した。今回提供されるフォントの多くは、Plantin、Gill Sans Nova、Rockwell Novaなど、20世紀初頭にデザインされ、それ以降数も多くの書体デザインに影響を与え続けてきた名作ぞろい。また、これらのフォント自体も、長年にわたってデジタル組版のための最適化がされてきたものである。
追加されるフォントは、Monotype社より、41のフォントファミリー、665のフォント。(以下、Adobe Creative Station「Creative Cloudユーザーに朗報!600以上の #Monotype フォントがあらたに追加されました。」より抜粋)
『ITC Benguiat』
80年代の書籍の表紙に多用された古典的名作で、現在でも看板などに使われているのを目にすることが多いかもしれない。Netflixの大人気ドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」でもおなじみのフォントである。特に組版をいじらなくとも独特の佇まいがあるが、あえてタイポグラフィックな印象を加えたい場合には、バリエーションを使ってイメージにあった書体を選ぶこともできる。
『ITC Avant Garde Gothic』
もとはハーブ ルバーリン(Herb Lubalin)とトム カーネイズ(Tom Carnase)が1970年代のアヴァンギャルドマガジンの表紙のためにデザインしたフォントを、エド ベンギアット(Ed Benguiat)が拡張したもので、緻密に計算された豊富な合字を含んでいるため、非常に柔軟性が高く、表情豊かなフォントである。
『Gill Sans Nova』
ロンドンの地下鉄で用いられているフォントに着想を得たもので、“ミッドセンチュリー的鉄道ロマン”を求めるデザイナーにうってつけのフォント。エリック ギル(Eric Gill)によるオリジナルデザインから数十年、他のデザイナーによって文字セットは拡張され、コンデンス体をはじめ、いくつかの興味深いシェーディングやアウトライン処理をともなうバリエーションも追加、包括的なフォント体系へと発展した。
『Plantin』
Times New Roman(イギリスのタイムズ紙が新聞用書体として開発セリフ体)もこのフォントに着想を得てデザインされたという、先ごろ生誕100周年を迎えたフォント。オリジナルは1913年に金属活字組版のためにデザインされている。今回提供されるのは、この古典的なフォントのデジタルバージョン。
『Rockwell Nova』
「Futuraのような幾何学的なサンセリフ書体にセリフを加えたらどうなるでしょうか?」
1934年当時にMonotypeの書体デザイナーが出した答えがこの「Rockwell」だ。タイトル用フォントやブランディング用途で人気のあるフォントで、格調高く均整の取れた本文や、力強く威厳ある見出し文に用いられることが多い。とくに狭いスペースにコンデンス体を使う場合など、ほぼすべてのシチュエーションにうまく適合する。
『Sabon』
1967年に、ドイツのヤン・チヒョルトによってデザインされたセリフ体。書籍の組版用途において人気を集めているフォントだ。
『Trade Gothic Next』
明快な見出しフォント、情報デザイン用のフォントとして好まれるフォント。レギュラー書体だと少し角張りすぎていると感じられるときのために、Soft Roundedファミリーも用意されている。
adobe
URL:https://www.adobe.com/jp/
2018/08/09
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