「Google Developer Day 2008」が開催
“3つの「C」+「C」”を合い言葉に
「Google Developer Day 2008」が開催
パシフィコ横浜で行われた「Google Developer Day 2008」
Googleは、2008年6月10日、神奈川県・横浜市のパシフィコ横浜にて「Google Developer Day 2008」を開催した。
本イベントは、Webアプリケーション開発者やプログラム技術者などのエンジニア、Webサイトオーナー、Web制作関係者などに向けて、同社の新技術を紹介するカンファレンス形式の催し。わが国では昨年に続いて、今年で2回目の開催となる。
基調講演では、まずGoogle副社長兼Google Japan代表取締役社長の村上憲郎氏が登壇。今回の日本での開催が、世界各都市で展開される今年の同カンファレンスの先駆けであると紹介し、その喜びを意気込んでみせた。
Google Japan代表取締役社長の村上憲郎氏
続いて登壇したGoogle Japanシニアプロダクトマネージャ及川卓也氏の司会進行によって、本日のセッションの内容が紹介された。
Google Japanシニアプロダクトマネージャ及川卓也氏
及川氏は今回のカンファレンスにあたっての同社のテーマが、「Client(クライアント)」、「Connectivity(コネクティビティ)」、「Cloud(クラウド)」の“3つの「C」”であると説明。開発者に提供する3つの技術として「クラウドをよりアクセスしやすく」、「コネクティビティをユビキタスに」、そして「クライアントをパワフルに」することを目標に、次世代のWebに向けたさまざまなアプリケーションを開発したと語った。
同時に「オープン」であることも強調。Webプラットフォームをオープンにすることで同社とWeb開発者の間に連携が生まれ、より高機能(リッチ)なアプリケーションを開発し、多くのユーザーを獲得、利用頻度を増加させて収益を向上させることが狙いだとした。
“3つの「C」”
オープンウェブプラットフォームの概念図
今回のカンファレンスではそうした理念に基づいて開発されたたWebアプリケーションが多数紹介された。
「Gears」は、ブラウザを拡張してリッチアプリケーションの開発を可能にする開発者向けの環境。検索機能を持つリレーショナルデータベースを利用することでデータをローカル上に保存する「ローカルデータベース」と、HTML、JavaScript、イメージなどのリソースをローカルにキャッシュしてアプリケーションに提供する「ローカルサーバー」、非同期でJavaScriptの動作を実行しアプリケーションのレスポンス向上を図る「ワーカープール」の3つの要素で構成されるもの。これにより開発者の開発効率が高まるといったポイントが説明された。
「Gears」の説明をする画面
「Android」は、モバイル端末でのソフトウエアスタックをオープンにする環境で、「Web市場に対してモバイル市場でのアプリケーションの開発度が未熟であるために開発した」とその開発の理由をAndroid開発ディレクターのアンディ・ルービン氏が壇上で語った。実際にAndroidで開発したモバイル機器のインターフェイスをデモ。携帯端末上に表示されたウィジェットや新聞コンテンツなどを指先で軽快に操作する場面では会場から拍手も起きた。
アンディ・ルービン氏による 「Android」を応用したモバイル機器の操作のデモ
「Google App Engine」はGoogleのインフラを利用してWebアプリケーションのホスティングを行うサービス。最大500MBのストレージとネットワーク、月間500万PVまで可能なサーバが無償で提供されるもの。日本に向けては10,000人分のプレビュー版が公開されている。「TweetWheel」や「laterloop」、またGoogleが自社開発した先日の中国・四川省地震の被災者リストなどの開発例がソフトウェアマネージャの鵜飼文敏氏とプロダクトマネージャのピート・クーメン氏によって紹介された。
「Google App Engine」でGoogleが自社開発した先日の中国・四川省地震の被災者リストなどを披露するソフトウェアマネージャの鵜飼文敏氏。わずかな時間で開発できる点を強調した
また株式会社リクルートからは同社メディアテクノロジーラボのゼネラルマネジャー近藤知彦氏とチーフ・アーキテクトの川崎有亮氏が登壇。Googleが標榜する“ソーシャルウェブ”の一環である「opensocial」の理念に基づいて開発したWebアプリケーションをいくつか披露した。現在同社が有するWebサービスは14事業あるが、そのうちの『ドコイク?』はさまざまな業態の店舗を地域で絞って検索できるサービス。
株式会社リクルートの『ドコイク?』
このほかFlashアプリケーションにGoogle Mapsを取り込むことの可能な「Google Maps API for Flash」や、Google Earthを自分のWebサイトに取り込むことを可能とする「Google Earth API」など、開発者心をくすぐるユニークなアプリケーションが多数紹介された。
「Google Maps API for Flash」を使って開発したソフトウエアと自作したUSB機器によって、飛行機の操縦桿のようなデモを披露するソフトウェアエンジニアの加藤定幸氏
「Google Earth API」を利用した「MONSTER MILKTRUCK!」を披露するシニアデベロッパープログラムエンジニアのマノ・マークス氏。トラックが海上やエベレスト上を疾走する場面では場内も爆笑
基調講演終盤では、Google株式会社 執行役員・製品企画本部長の辻野晃一郎氏が登壇。“3つの「C」”に続くもうひとつの「C」、「Communities(コミュニティ)」をテーマとしてスピーチした。前段で紹介した各アプリケーションの日本語化や、Googleデベロッパー交流会などの企画、開発者同士でのコミュニティを創設できる「Google API experts program」などの用意があることを紹介。開発者にはよりGoogleを活用してほしいと訴え、「Be Social」との同社のスローガンを披露して基調講演を締めくくった。
4つめの「C」を解説するGoogle株式会社 執行役員・製品企画本部長の辻野晃一郎氏
基調講演終盤で大きく表示された「Be Social」のスローガン
午後の部では、この基調講演で紹介された各Webアプリケーションの詳細を解説する各セッションが開催。夕方にはGoogle関係者や参加者同士での交流を図る「デベロッパーソーシャルトーク(交流)」が開催されるなど、Googleの次世代技術やコミュニケーションを堪能できる一日となった。
(2008年6月10日 MdN Interactive/鴨 英幸)