三省堂が“今後辞書に載るかもしれない新語10選”を発表。ばえる(映える)、モヤる、わかりみ、尊いなど

三省堂が12月5日、2018年を代表・象徴する「今年の新語2018」ベスト10を発表した。三省堂の“今年の新語”は、特定のジャンルやコミュニティーに偏らないよう、使用者層や使用域の広がり、使用頻度の高さなどを考慮しつつ、来年以降も使われてゆくであろう日本語を認定するもので、今後実際に“辞書に載ってもおかしくない新語”とされている。ベスト10に選出された言葉は、国語辞典のプロの手による解説(語釈)をつけて、三省堂公式ページにおいて公開されている。
今年の新語の選定にあたっては一般公募が行なわれ、延べ2,315通(異なり1,296語)の応募が寄せられている。これらの投稿などをもとに、辞書を編む専門家である選考委員が一語一語厳正に審査し、「今年の新語2018」ベスト10を選定・発表した。

2017年に惜しくも入選を逃した「インスタ映え」は、その後部要素である「映(ば)え」が独立した動詞となり、「ばえる」という形で一般化するという新展開を見せ、見事大賞(1位)を獲得。SNS社会での美的感覚を象徴する新語であり、また、美しく際立ったものに対してプラス評価を与える語として、日常生活で広く使われるようになったことが評価の対象となった。日本語の歴史的観点からも興味深い特徴があり、まさに2018年の大賞にふさわしい新語としている。

2位は「モヤる」。従来の「もやもやする」の意味から、不満、反感、怒りなども含めた、負の感情を婉曲的に表現する用法で、ここ数年急に使われるようになった語である。

3位の「わかりみ」は、「つらみ」「うれしみ」などの接尾語「○○み」が形容詞につく場合にとどまらず、「わかりみが深い」「ラーメン食べたみが強い」「髪型の武田鉄矢みがすごい」などにも用法が拡大しつつあることから、「○○み」の代表選手として選出された。

4位の「尊い」は、従来の「尊敬する気持ちを引き起こす」という意味ではなく、「美しすぎて、いとおしいと思わせる」対象への最大級の賛辞として使われるようになったことが、2018年に特徴的な新しい語義とされた。

他にも、言葉の響きの面白さに加えて、今年検索サイトのCMにより急浮上した「肉肉しい(6位)」、百科語である「VTuber(5位)」「マイクロプラスチック(7位)」、災害が多かった2018年を物語る「スーパー台風(9位)」「ブラックアウト(10位)」、近年新しい用法が広がっている「寄せる(8位)」などが選出されている。
一方、一般公募で最も投稿数の多かった「半端ないって」は、「半端ない」が一部の国語辞典にすでに掲載されているため、惜しくも選外に。次に投稿数が多かった「そだねー」は、全国的に広まったものの、単純な連語のため辞書の見出しには立ちにくく、こちらも選外となっている。

ベスト10に選出された言葉には、実際の編者が腕をふるって国語辞典としての語釈(言葉の解説)を作成。今年の新語の切り口と面白さを味わってもらいたいとして、三省堂の公式サイト上で公開されている。いずれ近いうちに、これらの言葉が辞書に掲載される日が来るかもしれない。
株式会社三省堂
URL:https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/topic/shingo2018/2018/best10.html
2018/12/06
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