次期iPhoneで、Samsungのタッチパネル一体型有機ELディスプレイ「Y-OCTA(ワイオクタ)」採用か

韓国メディア「ETnews」が、12月12日、次世代iPhoneモデルの1つにSamsung Displayのタッチ機能一体型OLED(有機ELディスプレイ)が採用されると報じている。新しいOLEDの採用は、iPhoneのディスプレイをより薄く軽くすることが可能で、タッチ機能を一体化したことによるコスト削減効果も見込めるとのことだ。
Samsungの専有技術であるこの有機ELディスプレイは、別名「Y-OCTA(ワイオクタ)」と呼ばれており、SamsungのGalaxy S9/S9+などでは既に採用されている技術だ。サプライヤーからの情報によると、Samsung Displayの関係者が今年の3月頃アップルを直接訪問し、タッチ一体型OLEDパネルの供給を提案。以後、契約が進み、10月からはアップルとの正式な開発を開始しているという。

開発プロジェクトは既に本格的に始まっており、製造に向けた準備も進められている段階で、大きなトラブルがない限り「Y-OCTA」は2019年のiPhoneに採用される見込みとのこと。
アップルは、「マルチタッチ」をスマートフォンに世界で初めて実装するなど、タッチ入力に関しては並々ならぬこだわりを持つ企業だ。サムスンでは、タッチ機能を重視するアップルのことを考慮して、タッチセンサーのパターンも新たに開発し、アップルの厳しい基準をクリアしたという。

ディスプレイ業界においては、ディスプレイパネルの他にフィルムタイプのタッチスクリーンパネル(TSP)を別途追加するのが通例であったが、「Y-OCTA」ではこのTSPが不要となるため、ディスプレイをさらに薄く・軽くすることができ、コストの削減も可能となる。
ただし、この「Y-OCTA」パネルはSamsung Displayのみが製造しいるため、供給量に限りがあり、来年のiPhoneシリーズでは、ハイエンドモデルのみなど1モデルでの採用となる見込みだ。しかし、売り上げ不振の報道が相次ぐアップルにとって、コスト削減効果もある「Y-OCTA」パネルは魅力的に映っているはずで、生産体制さえ整えば、いずれ全モデルに採用するという流れも十分に考えられる。

Samsung Displayは既に、昨年発売の「iPhone X」、今年発売された「iPhone Xs」「iPhone Xs Max」までのOLEDの独占供給を果たしている。アップル側では、LGのディスプレイを今月から「iPhone Xs Max」に採用するなど、LGを第二のサプライヤーとして協力体制を強化しているが、「Y-OCTA」パネルが、iPhoneの主流となるとしたら、Samsung DisplayのOLED供給主導権は当分の間続きそうである。
「ETnews」
URL:http://www.etnews.com/20181212000230
2018/12/13
MdN DIのトップぺージ