モリサワ、「MORISAWA PASSPORT」のアップグレードで1月24日に新書体を提供

「MORISAWA PASSPORT」

株式会社モリサワは、フォントのライセンス製品「MORISAWA PASSPORT」の2019年1月版アップグレードとして、2019年1月24日(木)に新書体の提供を開始する。「MORISAWA PASSPORT」製品を契約中のユーザーは、同日の11:00より、株式会社モリサワのWebサイトからダウンロードして新書体の利用が可能。利用可能なOSは、Windows 7 / 8.1以降およびMacのOS X 10.9以降で、macOS 10.14 Mojaveにも対応している。
今回のアップグレードでは、UDフォントのラインナップが拡充。UD新ゴとの併記に適した欧文と多言語フォントの「Clarimo UD」シリーズや、「UD新ゴ 繁体字 標準字体」と「UD黎ミン ハングル」が登場する。また、モリサワタイプデザインコンペティション2016の欧文部門でモリサワ賞金賞・明石賞を同時受賞した「Vonk」、文字セットを拡張した「UDデジタル教科書体」、2017年に告示された小学校学習指導要領に対応している筆順書体(2019版 筆順ICA / 2019版 筆順常用ICA / 2019版 筆順2ICA / 2019版 筆順2常用ICA)が追加される。いずれも提供されるフォント形式はOpenType。
●新書体の一部をご紹介

『Vonk』―モリサワタイプデザインコンペティション2016欧文部門でモリサワ賞金賞・明石賞を同時受賞した、現代的な本文用セリフ書体

Clarimo UDシリーズ
和文、簡体字、繁体字およびハングルまで展開されている「UD新ゴ」シリーズとの併記を目的として作られたサンセリフ書体。シンプルかつ可読性を重視した設計を特徴としている。

『Clarimo UD PE』―ラテンアルファベットに加えてキリル文字、ギリシャ文字、およびベトナム語用文字をカバーする独自規格「PE」(汎ヨーロッパ)の文字セットを採用。ExtraLightからUltraまで、幅広い8ウエイトを取り揃える

『Clarimo UD Arabic』―アラビア語、ペルシア語、ウルドゥー語の表記に使われるアラビア文字のフォント。類似する字形だけでなく、類似するふところの曖昧さをなくすことにより読み間違いを回避。また、開口部を広く保つなどの工夫も施されている。異体字や合字、専用記号を多く備え、細やかな表現が可能

『Clarimo UD Devanagari』―主にヒンディー語、ネパール語を表記するためのデーヴァナーガリー文字のフォント。明確な形状、ふところ・開口部を広く保つなど、読みやすさを重視し、さまざまな異体字やバリエーション豊かな合字を備える

『Clarimo UD Thai』―「ループ」と呼ばれる丸い部分があるスタンダードスタイルのタイ文字フォント。形状の曖昧さをなくすなど、読みやすさの工夫がなされているほか、タイ語で使用頻度の高いイタリックを備えており、組版の際に細かなニュアンスを表現できるようになっている

『Clarimo UD Thai Modern』―「ループ」と呼ばれる丸い部分のないモダンスタイルのタイ文字フォント。タイでは見出しや強調によく使われる。読みやすさの工夫がなされているほか、タイ語で使用頻度の高いイタリックを備えており、組版の際に細かなニュアンスを表現できるようになっている

『UD新ゴ 繁体字 標準字体』―和文書体「UD新ゴ」のデザインをベースに設計されたゴシック体の繁体字書体。台湾の国字標準字体に則った字体を採用しており、台湾、香港、マカオでの中国語表記をサポートする

『UD黎ミン ハングル』―和文書体「UD黎ミン」のデザインをベースに設計された明朝体のハングル書体。「UD黎ミン」と同様に柔らかいエレメント、直線的なストローク、可読性を重視した字形を採用

『かもめ龍爪』―豪快でたっぷりとした収筆、鋭く大きなはらいが組み合わされた力強い宋朝体。中国・宋の時代に四川地方で刊行された儒教経典『周礼』を元に復刻した「龍爪(りゅうそう)」と、1943年に内閣印刷局より発行された『内閣印刷局七十年史』を元に復刻した和字(かな)書体「かもめ」をマッチングした

『さくらぎ蛍雪』―一字ずつ丁寧に書きあげたような端正な表情の清朝体(軟体楷書体)。中国・清王朝の時代に揚州詩局より発行された『欽定全唐文』の文字を復刻した「蛍雪(けいせつ)」と、1919年に文部省より発行された『尋常小學修身書 巻三』から復刻した和字(かな)書体「さくらぎ」をマッチングした

『秀英にじみ丸ゴシック』―2017年にリリースされた「秀英にじみ明朝」に続く、インクのにじみを再現したシリーズ書体。線の揺らぎや交差部分のにじみ加工による活版印刷の風合いと、丸ゴシック体ならではのやさしく暖かな表情をあわせもつ見出し用書体

タイプバンクフォント

『エコー』―重心が高く直線的なデザインが清潔な印象を与えるデザイン書体。全角に対して狭めに設計された骨格も特徴の一つだ。プロポーショナルメトリクス(文字詰め機能)を有効にすることで、長体幅(全角に対して約86%相当)での字送りが可能になり、緊張感のある表情を演出することができる。LからBの三つのウエイトで展開

『オーブ』―古代中国で青銅器の表面に刻まれた金文からヒントを得た、伸びやかで優雅な骨格と、手書きのニュアンスを残すやさしい表情のかなが特徴の丸ゴシック体風デザイン書体。エコーと共通の字幅や骨格の設計を持ちながらも、丸く愛らしい流線型の表情が品格とレトロ感を演出する

株式会社モリサワ 新書体特設Webページ
https://www.morisawa.co.jp/topic/upg2018/

株式会社モリサワ
URL:https://www.morisawa.co.jp/
2018/12/20
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